高校生が大学レベルの研究に取り組むチャンスが広がっている!

高校生が大学の学びに触れられる機会が増えてきている。オープンキャンパスでの体験授業、大学の教員が高校へ出向く出前授業・出張授業に加え、最近では普段の授業を公開する大学も。ただし、これらは単発の参加だったり、“見学”にとどまったりするケースが中心。

 

もちろんそれでも大学の授業の雰囲気を知るには有効だが、最近は、さらに深く大学の学びを体験できる取り組みも各地で行われるようになっている。

 

その一つが、京都府教育委員会が2013年度からスタートする「大学研究室連携事業(スクールラボ)」。理数系の専門科がある府立高校と府内の大学との連携事業で、大学の研究室と高校が連携し、実験室を舞台に研究員と高校生が特定のテーマに関して共同研究を行うというもの。

 

高校にいながら、バイオサイエンスなどの大学レベルの先端研究に、年間を通してじっくり取り組むことができるのだ。

 

協力大学には京都大学、京都府立医科大学、京都工芸繊維大学など。ノーベル賞学者の山中伸弥教授が所長を務めている京都大学iPS細胞研究所も候補に挙がっているという。研究員による特別講義や教科指導も行われる予定だ。

 

山形県にある慶應義塾大学先端生命科学研究所は、「世界的な研究者になりたい!」という夢をもつ地元高校生や工業高等専門学校生を特別研究生として受け入れている。

 

特別研究生は、高校などの授業が終わったあとに研究所を訪問。施設内の実験機器やコンピュータ、データベースを使用して、ヒト常在菌、土壌微生物などバイオサイエンスの分野における先端的な研究に取り組むことができる。

 

研究所の大学生や大学院生は機器の使用法など必要なアドバイスはするが、研究内容に関する指導はしない。自分の興味がある研究に自由にチャレンジできるのが特別研究生の魅力だ。目標はコンテストでの入賞や学会発表と本格的。2012年度には15人が参加した。

 

理数系以外でも同様の動きはある。大分大学経済学部では、大学2年生と高校2年生がチームを組んで共同研究をする「学問探検ゼミ」を2008年度から実施。

 

大分大学が行う高大接続教育事業の中核的な取り組みとなっている。大学・高校それぞれの教員が指導に当たり、ゼミ生が自分たちで考えたテーマ(地域経済・まちづくりなど)について数カ月かけて討議し、成果報告会でプレゼンテーションを行うというものだ。

 

ここで紹介した取り組みは、いずれも高校生が大学での専門的な学びに関心を高める効果を上げている。今後こうした動きがどこまで拡大していくのか注目されるところだ。

 

●リクナビ進学「オープンキャンパスに行こう!」コーナー