もう動いてる?「進路について調べる時期」が早くなっている

高校卒業後の進路についてみんなはどのくらいの時期から考え始めたり調べ始めたりしているのだろうか?人は人、自分は自分…とはいえ、同級生の動きが気になる高校生もいるはずだ。

 

実は、その件に関して注目しておきたいデータがある。リクルート進学総研が実施した調査(「進学センサス2013」2013年7月)によると、高校生の進路選択に関する行動の時期が以前と比べると早くなっているのだ。では、詳しい調査結果を紹介していこう。

 

●どんな学校があるかを調べ始めた時期
カッコ内は2009年からの増減(以下同)

高校1年生 28.4%(+4.9ポイント)
高校2年生 38.5%(-0.4ポイント)
高校3年生 25.2%(-6.7ポイント)

 

まだはっきり進路を決める前に、どんな大学、短大、専門学校があるのかをインターネットや書籍などで調べ始めた時期に関する質問。4年前の調査では、高2、高3、高1の順番だったが、2013年の調査では、高1が高3を逆転。動き出しが早い高校生が増えているのがわかる。次に資料請求の時期について。

 

●興味をもった学校の資料請求をした時期

高校1年生 17.6%(+5.2ポイント)
高校2年生 33.7%(+0.7ポイント)
高校3年生 40.2%(-7.2ポイント)

 

資料請求となると、やっぱり多いのは高3。しかし、4年前の調査では47.4%が高3で初めて資料請求をしていたのに対して、2013年の調査では40.2%にまで減少。一方で、高1で早くも資料請求をしたという回答が5.2ポイントも増えている。

 

その結果として、学んでみたい分野や志望校の絞り込みなども早くなる傾向が。

 

●学んでみたい分野を決定した時期

高校1年生 21.0%(+2.8ポイント)
高校2年生 26.6%(+0.7ポイント)
高校3年生 34.6%(-6.1ポイント)

 

●最終的に入学した学校に関心をもった時期

高校1年生 10.8%(+3.6ポイント)
高校2年生 21.4%(+4.3ポイント)
高校3年生 56.3%(-8.2ポイント)

 

●第一志望校を受験校に決めた時期

高校1年生  7.6%(+1.9ポイント)
高校2年生 18.9%(+3.2ポイント)
高校3年生 67.0%(-6.7ポイント)

 

いずれも高1、高2の割合が上昇し、高3は大幅に減っている。進路に関して早めに絞り込みや決断をする高校生が徐々に多くなっていることがわかる。

 

こうした傾向の背景には、高校生の意識が変化していることもあるが、同時に、高校側の進路指導に関する取り組みの変化も影響しているようだ。以下のデータを見てほしい。

 

●三者面談など、個別の進路指導が最初に行われた時期

高校1年生 38.4%(+3.5ポイント)
高校2年生 20.8%(+0.6ポイント)
高校3年生 32.9%(-4.2ポイント)

 

このように個別の進路指導がスタートする時期も4年前の調査と比べると早まっている。このような進路に関する一連の動きが早まっていることに関してリクルート進学総研は次のように分析している。

 

「大学や専門学校に入学してから『思っていたのと違った』と後悔することを防ぐため、高校での進路指導や文理選択が低学年から行われるようになってきています。オープンキャンパスに1年生で参加する割合も、2009年には20.5%でしたが2013年には34.1%と大幅に増加。その結果、高校生の進路に対する意識や行動も早期化しているといえます」

 

高3になって慌てて調べ始めるよりは、高1、高2の早い段階で情報を集めておいたほうが、情報不足が原因の選択ミスは減らせるはず。また、そのほうが希望進路を変更する時間的余裕もある。「まだ何にも考えてなかったよ」というキミも、まずは学校調べから始めてみてはどうだろう。

 

●リクナビ進学「オープンキャンパスに行こう!」コーナー