お疲れな全受験生へ!+αの動きで逆に勉強がはかどる「秒でポジ変!」ちょいトレ
受験勉強で心も脳もお疲れ気味…なスタサプ読者のみんなに朗報!
疲れを解消して、さらに学習効率までUPさせるのが、ちょっとだけでも体を動かすこと。
今日から試験当日まで使える動きが満載だから、まずはどれか1つだけでも試してみて。
内藤隆先生
明治大学 サービス創新研究所客員研究員、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了、早稲田大学発育発達研究所 招聘研究員
「脳力アップ!受験生体操」「受験生のための運動ガイド」著者。
運動と脳の関係について長年研究する運動科学プロが、スタサプ読者のために降臨!
晴波さん(左)
現在サッカー部のマネージャー。基本は応援する側だけど最近なぜかリフティングにハマり中。
龍之介くん(中央)
元サッカー部でポジションはボランチ。最近は自分がプレーするよりも、教える側に興味あり。
藍果さん(右)
趣味はダンスでHIPHOPもジャズ系も好き♪チア経験もあり、体の柔軟性には自信あります。
目次
- WHY?何で受験生に運動がいいの?
- HOW TO!運動を行うときのポイント
- 全部やっても55秒!モーニングルーティン
- WHY?何で朝動くのがいいの?
- 15秒:朝イチに伸びをすることで目覚めすっきり!コブラポーズ
- 20秒:新鮮な空気を取り込み脳を活性化!バナナストレッチ
- 20秒:交感神経の働きを高めモチベUP!股関節ストレッチ
- Advice!朝ご飯をよく噛むだけでも効果あり
- 秒で勉強効率をブースト!勉強中ちょいトレ
- 全部やっても69秒!ナイトルーティン
- WHY?何で夜動くのがいいの?
- 20秒:腰回りの緊張をほぐし質の高い睡眠をGET!両ひざ倒し
- 30秒:全身の緊張を取り除き、心と脳を休める!チャイルドポーズ
- 19秒:自律神経のバランスを整えて心身リラックス!4-7-8ブレス
- 実力を出し切るための本番ちょいトレ
WHY?何で受験生に運動がいいの?
1. 脳が活性化して勉強効率UP!
体を動かすことで、脳への刺激や血流が増えるため、認知機能が高まって学習効率もアップ。勉強への意欲が高まる効果も。
2.ネガな気持ちやストレスを解消
運動することで脳内物質の分泌が増えて心が安定。ネガティブな気分が減ったり、ストレスをため込みづらくなります。
3.良い体調を維持できる
運動不足で体力が低下すると免疫力が下がり、風邪をひいたり体調不良になりやすい体に。日頃から体調を整えておくのも大事。
HOW TO!運動を行うときのポイント
1.まずは10秒だけでもOK
運動ってたくさんやらないと効果がないんじゃない?と勘違いしがちですが、まずはできる範囲でOK。数十秒だっていいんです。
2.楽にできるものを毎日の習慣に
わざわざ着替えたり、場所を移動したりの準備はしなくてOK。何かのついでにできてラクチンなものを、毎日続けるのが効果的。
3.疲れない程度に
激しすぎる運動は逆に免疫力が下がってしまうので無理はしないこと。行うにしても30分以内のランニングくらいにとどめて。
全部やっても55秒!モーニングルーティン
朝の動きが1日の勉強効率を決めるのだっ!
忙しい朝でも準備しながらできるモーニングルーティンを紹介。
起床時にしっかり体のスイッチを切り替えることで、気分もスッキリし1日の勉強効率がアップ。
3つやるのが理想だけど、どれか1つだけでもOK。毎朝の習慣にしてみよう!
WHY?何で朝動くのがいいの?
1.眠気を飛ばしてくれる
朝に体を動かすことで、副交感神経から交感神経へとスイッチが切り替わりやすくなり、シャキッと目覚めやすくなります。
2.脳の準備運動になる
体の動きは、同時に脳の働きも活性化させるので、後から行う受験勉強にもより集中して効率的に取り組むことが可能。
3.体にエンジンがかかる
寝ている間にコリ固まった体を起床時にほぐしておくことで、血液が全身を巡ってくれるので「朝から何かだるい」状況を解消。
15秒:朝イチに伸びをすることで目覚めすっきり!コブラポーズ
1)うつぶせになり、脇をしめて両手を布団につく
2)布団を手で押しながら状態を起こし、肩甲骨を寄せて胸を張って15秒キープ
キープの時に両肩を下げ、首を長く保ちましょう。首に負担がかかるので天井を見上げるのは×。ひじは伸ばし切らない程度に。
20秒:新鮮な空気を取り込み脳を活性化!バナナストレッチ
1)頭の上で両手を組み、体を左側に傾けて10秒キープ
2)次に右に傾けて10秒キープ
深く傾けるのではなく、浅くても良いので、両手を遠くに伸ばすようにすることを意識するとGOOD。
20秒:交感神経の働きを高めモチベUP!股関節ストレッチ
1)両足を大きく開き、ひざを曲げて、両手はひざに置きながらお尻を下げる。
2)右肩を中に入れながら、上体を左側にひねって10秒キープ。反対側も行う。
体をひねる時に、ひねるのと逆の手でひざを外側に押してキープを。(右ひねりの場合は左手で左ひざの内側を外に押す)
Advice!朝ご飯をよく噛むだけでも効果あり
咀嚼をしっかりするだけでも、自律神経のバランスが高まって心身スッキリ。
例えば、ふわふわのパンではなく硬めのパンにしてよく噛む、食後にガムを食べるなどでもOK。
朝は咀嚼を増やすことも意識しよう!
秒で勉強効率をブースト!勉強中ちょいトレ
勉強中の眠気や疲れ、モチベダウンを解消して、学習効率を上げてくれるのも実は体を動かすこと!
目的別に選んで、受験勉強の休憩がてら少しだけでも動いてみよう。
眠気・疲れ・焦り、モチベダウンをシャットアウトだ!
10秒:やる気沸騰!指タッチ肩回し
勉強中は猫背になりがちなので、肩を回すことで胸が開いて呼吸が入りやすくなり、心身がリフレッシュ!
また、姿勢は精神状態に影響するので、姿勢が整うとモチベーションも上がりやすくなり、勉強にも前向きな気持ちに。
1)手の指を肩に軽くあてる
2)指が肩に触れたまま、両肘を大きく後ろに回す。
3)回す時には肩甲骨を寄せることを意識。
回す時は小さく回さずゆっくり大きく。肩の上を通るときに、ひじが耳よりも高くなるようにするのが大事なポイント。
上に回す時に息を吸って、下げるときに吐くと、しっかりと体に空気が入るので◎。
15秒:眠気を飛ばす!セミワイドスクワット
座りっぱなしで勉強すると脳の血流が滞るため眠気が起こります。
血液の流れを活発にするには、全身の2/3の筋肉が集まっている下半身を動かし、ポンプのように全身に流してあげるのが効果的。
1)足を肩幅より大きく開き、つま先を30度くらい外に向け、両手を前に重ねる。
2)上体をやや前方に倒しながら、お尻を下げて、元に戻す。10回×3セットできると◎。
呼吸は下ろすときに吸って、上げるときに吐く。
後ろの遠い椅子に座るイメージでお尻を下げると、股関節も使えてさらに効果的。
10秒:焦りを打破!耳ひっばり
耳周りをほぐすことで、焦りや緊張で堅くなった筋膜を緩め、頭皮や呼吸筋も和らげることができるため、呼吸や気持ちを落ち着かせる効果あり。
1)左右の耳を軽くつまみ耳を横に優しく10秒間ひっぱる
2)パッと放す
強く引っ張り過ぎると逆効果になるので注意。
力を入れ過ぎず優しく行って。
Advice!内容別・勉強効率をさらにブーストさせる運動はこれ
1.暗記もの:英単語などの暗記系は歩きながらで効率UP!
暗記が必要な分野なら、室内でよいので歩きながら覚えると定着率がUP。
これは座るより歩いた時のほうが脳の血流が良くなり、脳の海馬などが刺激されることで記憶力に影響するため。
2.文章問題:論理的思考を高めるには事前の有酸素運動がおすすめ
文章問題などで必要とされる論理的思考力を高めるには、勉強前の有酸素運動が◎。
走らなくてもOK。通学の際、少し早足で歩く、階段を使うなどちょっとした動きを取り入れて。
全部やっても69秒!ナイトルーティン
夜の動きで1日の勉強内容が記憶に定着!眠くてもできる寝ながら系ナイトルーティンを紹介するよ。
寝る前にちょっとでも体を動かすことで、副交感神経が優位になり睡眠の質がアップ。
どれか1つだけでもいいので、布団に入るついでにゆるゆるとやってみて。
WHY?何で夜動くのがいいの?
1.日中に勉強した記憶を整理&定着させる
2.不安や緊張を取り除いてくれる
3. 心身万全で朝を迎えることで、翌日の集中力もUP
寝る前に行うストレッチで心身の緊張をゆるめておくことで、副交感神経の働きが高まり、睡眠の質がアップ。
良質な睡眠には上記のような効果があるから、直前期でも1日7~8時間の睡眠は確保しておこう。
20秒:腰回りの緊張をほぐし質の高い睡眠をGET!両ひざ倒し
1)仰向けに寝たら、両手を広げ、ひざを揃えて90度に曲げる
2)ひざを揃えたまま足を左側に倒して10 秒キープ。その際、首は反対の右側を向く
3)今度は足を右側に倒して10 秒キープ。首は左側を向く
目を閉じて、鼻からゆっくりと息を吸って口から吐くを繰り返します。呼吸は止めないように注意。
30秒:全身の緊張を取り除き、心と脳を休める!チャイルドポーズ
1)布団の上に正座をして、肩の力を抜く
2)頭を下にして、両手を前に伸ばし、手のひらとおでこを床につけて脱力する
3)鼻から息を吸って鼻から息を吐く、ゆっくりした呼吸を30秒間繰り返す。
目を閉じて、腰や背中の力を抜き、ゆっくり前に倒していくとよりリラックス。
力がうまく抜けない場合はおでこの下に枕を置いてもOK。
19秒:自律神経のバランスを整えて心身リラックス!4-7-8ブレス
1)両手両足を少し広げて仰向けに寝る。
2)4秒かけて鼻から息を吸い、7秒息を止め、8秒かけてゆっくりと口から息を吐く。
息を吐くときは、口を小さくすぼめて少しずつ空気を吐くことを意識しよう。
可能なら3~5回繰り返すのがおすすめ!
実力を出し切るための本番ちょいトレ
受験直前の緊張をほぐし、集中力を高めるためのちょいトレを紹介!
緊張すると平常心を失い、本来の力が発揮できないこともある。
直前に体を動かし、心身共に緊張を緩和しておこう。
3回:受験前夜や家を出る前に!肩アップダウン
試験が近づくと、無意識に肩に力が入り、呼吸が浅くなって緊張が一層増してしまうことも…!
そんなときは一度思いっきり肩を持ち上げ、脱力すると体全体に入っていた余分な力も抜くことができる。
1.息を吸いながら、両肩を高く持ち上げて3秒キープ
2.肩をストンとおろし、息を吐き切りながら脱力する
肩を上げる時は思いっきり力を入れて引き上げ、下げるときも一気に脱力しておろすことを意識しよう。
5回:移動中、試験前に!腹式呼吸
緊張が高まると呼吸が浅くなって、より緊張してしまう。
呼吸をゆっくり行うことでスピードを自分でコントロールし、心をしっかり落ち着かせよう。
1)まずは3 秒かけて、おなかを膨らませながら、ゆっくりと鼻から息を吸う
2)口をすぼめ、おなかをへこませながら6秒かけてゆっくり吐く
腹圧を意識しながら深くゆっくりと行い、自分の呼吸を自分でコントロールしているという意識をもとう。
10回:試験開始直前!手をこする
集中力の高さは成果にも直結するからこそ、試験直前に集中しやすい状態を作っておくのが◎。
脳の働きと密接に関係しているといわれるのが手や指。
ここをこすったり動かすことで脳の血流に作用し、より集中しやすい状態に。
1)手を合わせてごしごしと軽くこするだけ。
行っている間は単語や数式を思い出すなどはせず「手をこする」ことだけに心を集中させること。
5回:開始後の休憩時間など!逆腹式呼吸
腹式呼吸をあえて逆にすることで、交感神経が高まり戦闘モードに!
特にお昼ご飯の後などは少し眠気が起こりがちなので、集中するためにも逆腹式の呼吸がおすすめ。
1)まずは3秒かけて、おなかをへこませながら、ゆっくりと鼻から息を吸う
2)口をすぼめ、おなかをふくらませながら5秒かけて吐く
息を吐くときに、内側から空気を押しだすようなイメージでぐっとお腹をふくらませることを意識して。
Advice!しっかり水分補給を!
水分不足になると体内の血流が滞って集中が続かないことも。
水を飲む際のポイントは一気にではなくこまめに。
お茶などのカフェインが入ったものは利尿作用があり逆効果になるので、水か炭酸水に。
普段からこまめに水を飲む習慣をつけておこう。
簡単なちょいトレで勉強効率が上がって、本番でも実力を出し切れるなら、もうやるしかないっ!
編集部メンバーも、疲れてガチガチに堅まった老体を動かしながら…みんなを全力応援します!
Text・Edit / Noriko Taki ,
Photo /Seiji Watanabe ,
Design / Yujiro Suga(ma-h gra)