日本の若者は自信がない? 調査結果を深読みすると実は…
2014年6月に「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(※1)が公表された。
世界7カ国の13~29歳の男女を対象にした意識調査なのだが、このなかで「自分自身に満足している」という質問に「そう思う」と答えたのは
1位 アメリカ…86.0%
2位 イギリス…83.1%
3位 フランス…82.7%
4位 ドイツ…80.9%
5位 スウェーデン…74.4%
6位 韓国…71.5%
7位 日本…45.8%
という結果で、日本は極端に満足感が低かった。
あまりに低い数字が注目され、「日本の若者は自己評価が低い」「自分に自信がない」などと新聞やテレビなどで報道された。
そう言われている高校生の皆さんはどう思うだろうか?
「そんなことはないよ!自分が好きだよ!」と言う人もいれば「うーん、結構そうかもな~」と言う人もいるだろう。
北海道大学教育学部で心理学を教える加藤弘通准教授は、今回の結果に対して「違う見方がある」と言う(※2)。
まず、加藤先生は「自分は役に立たないと強く感じる」という質問に注目した。
ややこしいのだが、この質問では「そう思わない」ほど「自分は役立つ」と感じていることになる。そこで「そう思わない」割合を見てみると、日本はアメリカとほぼ同率で5位。7カ国のなかでも真ん中あたりにランクインしていた。
という加藤先生。
さらに日本の若者は「自分は役立つ」と思うほど「自分自身に満足している」傾向が強いことがわかった。そしてこの2つの質問に相関関係があるのは日本だけの特色なのだという。
ちなみにアメリカやイギリスでは「自分には長所があると感じている」ほど「自分自身に満足」しており、韓国やフランスでは「今が楽しければ良いと思う」ほど「自分自身に満足」している結果となり、何を基準に「自分自身に満足」するかは国によって違うことがはっきりわかったのだという。
加藤先生はこう続ける。
加藤先生はもうひとつ、日本の若者の自己肯定感が低くなる理由をあげてくれた。
ではこの時期の若者はどうすればいいのだろうか?
(参考資料)
※1:「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(内閣府)
※2:「自尊感情とその関連要因の比較:日本の青年は自尊感情が低いのか?」(有識者の分析より)