高校の先生が実証した、男子向き・女子向きの勉強法って!?

●「男女別学」を実践する学校の副校長先生に聞いた!

 

男女の脳の仕組みは違う、だから考え方や行動パターンも違う。これはよく言われること。日頃から、「男子/女子とは考え方が違ってまったく理解できない!」と思う人も多いのでは??

 

そこで素朴な疑問! 考え方が違うのだったら、男子、女子、それぞれに向いている勉強法があるんじゃない?

 

ということで、中高一貫の共学校でありながら、中学3年間と高校1年間は男女別のクラスで授業を行う(※)「別学」という教育を実践している、かえつ有明中学・高等学校の副校長、石川一郎先生に話を聞いてきた。

 

かえつ有明中学・高等学校の副校長、石川一郎先生

かえつ有明中学・高等学校の副校長、石川一郎先生

 
 

●答えを自分で見つけたい男子、プロセスを細かく教わりたい女子

 

「『木を見て森を見ず』が女子なら、『森を見て木を見ず』が男子。目の前のことを一つずつ片付けたり、日々の変化を細かく見るのが女子で、ディティールは気にせずゴールに向けて突っ走るのが男子です。わが校では、女子校から共学校に移行したとき、男女の差があまりにはっきりと表れたので、それぞれの特徴に合わせた授業をしたほうが効果的だと考え、『男女別学』をスタートしました」

 

では、それぞれの特徴に合わせた授業ってどんなものなのだろうか?

 

「例えば数学。男子は難しい問題を解くとき、ヒントを与えれば、細かいプロセスは気にせず、挑戦しようと意欲をもって取り組みます。『誰が一番早く解けるか?』など、競争を取り入れるのも大好きです」

 

高校の先生が実証した、男子向き・女子向きの勉強法って!?

 

「一方女子は無理なもの、わからないものには恐怖心をもつため、意欲がわきにくくなります。そこで難しい問題に対しては回答の手順を5つくらいに分解し、一つひとつの段階をていねいに説明し、理解したうえで次に進むという方法で学ばせます。すると女子はよく理解できるのです」

 

「よく男子は理系、女子は文系が強いといわれますが、これは、理系科目は男子向きに、文系科目は女子向きに教える授業スタイルが多いことが影響していると思います。理系科目も女子向きに、文系科目も男子向きに教えることを意識すれば、どちらの科目も男女の性差なく苦手意識をもたずに勉強できると思います」

 

高校の先生が実証した、男子向き・女子向きの勉強法って!?

 

男子と女子でそんな違いがあるなんてびっくり!
では、自分で勉強する場合はどうしたらいいのか?

 
 

●男子は見張り役、女子は励まし役を見つけると勉強がはかどる

 

男子は細かいことを気にしないせいか、宿題や提出物も忘れてしまうことが多い。そこで自分でできるようになるまでは、絶対的なリーダー、見張り役を置いたほうがいいという。

 

「担任の先生や尊敬する先輩、ライバルになる友人などに、常に『宿題はやったか?』とチェックしてもらうといいですね。『やらなきゃ』と思ってもなかなかできないのが男子ですが、大学受験などの目標があればやる気に火が付く。その追い込み力は女子にはないものなので、高3の秋から急にやる気が出て、女子を抜かしてしまうこともあります」

 

一方女子は、できないことをできるはずだと信じて取り組むのは苦手なので、「これくらいならできそうだな」と思える小さな目標を立てて、一日一日コツコツと積み重ねていくこと。そしてできたことについては必ず誰かに褒めてもらうことが大事だという。「よくやったね」「できたね」と毎回確認してもらい、細かい不安や悩みもその都度打ち明けられるような先生や友達を見つけるといいそうだ。

 

高校の先生が実証した、男子向き・女子向きの勉強法って!?

 

もちろん「女子っぽい男子」「男子っぽい女子」はいる。決めつけているわけではなく、大まかな傾向としてこういった特徴があるのだ。「自分はどんな傾向をもっているのか」をまずは分析、理解し、「自分に向いている勉強法」を考えてみよう!

 

※2015年から高校からの入学者は3年間共学