先生アンケート! 日本の先生が世界一忙しいってホント?
キミたちの学校の先生は忙しそう? それともまだまだゆとりがありそう?
今年、経済協力開発機構(OECD)が「国際教員指導環境調査」というレポートを公表した。
それによると、日本の中学の先生の平均勤務時間は週53.9時間で、参加34カ国の中でもっとも長いことがわかったのだ。
世界の平均勤務時間は38.3時間。日本の先生は世界平均の約1.4倍の時間長く働いていることになる。
この調査は、中学校の先生を対象にしたものだけど、高校の先生はどうなんだろう。みんな知りたくない?そこで、高校の先生の本音を知るべく、全国の高校の先生277人にリクナビ進学がアンケートを実施した(2014年7月)。
最初の質問は
Q:OECDの日本の先生が世界一忙しいという結果を見てどう思いましたか?
それに対して、「当然」「そうでしょうね」「納得」「当たり前」「やっぱり」という答えがずらり。先生からしてみたら今さら感のある調査だったらしい。そのほか、
「調査するまでもなく日本がいちばん忙しい」(平均勤務時間8:00~19:00、月の平均休日:2日)、
「諸外国の先生がうらやましい」(同8:30~17:00、4日)、
「周りの要求に応えようとすればそのとおりになるのは当然だと思う。当然、自分の時間や家族と過ごす時間を仕事に費やして成り立っているが、それも当たり前と思われる時代なのが寂しい」(同8:00~20:00、1日)
などの答えが。
さて、なぜそんなに先生たちが忙しいのかという理由も聞いたところ、多く挙がったのが授業だけではなく、部活動、会議、書類作成、保護者対応などの仕事のボリュームが多すぎるということ。
部活動は、放課後どころか土日も試合引率等で出勤する場合が多い。会議は全体の職員会議だけではなく、学年会議や教科の会議、進路指導や教務といった部署ごとの会議もある。そして、書類仕事。これは、教育委員会などに提出する報告書が多いようだ。
もちろん、メインの仕事である授業をやる以上、その準備もあるし、試験問題を作ったり採点や成績管理、進路指導、補習といった仕事もある。
つまり、「日本の教員は教育にかかわるすべてを担っているので、忙しくなって当然」(同7:30~19:30、4日)とのこと。また、そもそも先生の数が少ないという意見もあった。
ただ、先生がただグチを言っているのではないということもアンケートから伝わってくる。「そもそも教員がやるべき本来の仕事をしたい」「もっと生徒と向き合いたい」「教員というのはやりがいがある仕事なのに…」という声も多いのだ。
「日本の教員は『心』で仕事をしているから忙しくなる」(同7:50~18:00、10日)
「なんだかんだ言っても教員は生徒が好きなんだと思います。だから時間を費やせるのだと思います」(同7:00~19:00、7日)
「日本の教員が忙しいのはそのとおり。どの国よりも、生徒の面倒を手厚く見ている」(同7:50~20:30、7日)
などなど、生徒のみんなのことを考えているからこそ、もっと時間をかけて向き合いたいという思いが強いのかも。
日本の先生の頑張りや、生徒思いであることがよくわかったアンケート。みんなの先生も「もっと生徒とかかわりたい」と思いながら、日々、書類仕事や会議に追われているのかもしれない。