高校生が「高校時代に読んでおくべき本」を女優上白石萌音がおすすめ!

小説やエッセイなど、さまざまなジャンルがある書籍。
 
でも、数が多いからこそ、興味があっても「どれを読んだらいいんだろう?」と悩む人も多いのでは?
 
そこで今回、俳優や女優、アーティストや有名企業社長に“高校生の今だからこそ読んでおくべき書籍”を紹介してもらうことに!
 
第1弾に登場した音楽プロデューサーのtofubeatsさんに続いて、第2弾に出演してくれたのは女優で歌手の上白石萌音さん!
 
「小学生の頃から読書が好きだった」という彼女がおすすめする5冊を、一挙紹介!
 
上白石萌音がおすすめ!高校生が「高校時代に読んでおくべき本」

●上白石萌音
1998年生まれ。趣味は読書や歌、ダンス。実写映画『ちはやふる』で大江奏役を演じ、2016年にはアニメ映画『君の名は。』のヒロイン・宮水三葉の声優を務め、また、主題歌『なんでもないや』も歌唱した。
現在公開中の映画『羊と鋼の森』には、実の妹・萌歌とともに姉妹役として出演している。

上白石萌音さんがおすすめする本!

“本”との出会いに感動できるようになる!

▼『さがしもの』(角田光代 著/新潮文庫)
 
上白石萌音がおすすめ!高校生が「高校時代に読んでおくべき本」
 
“本”にまつわるストーリーを集めた短編集。
 
病床のおばあちゃんに本探しを頼まれた少女の奔走を描く物語『さがしもの』や、主人公が持ち主不明の詩集に挟まれたメッセージを見つける『手紙』など、現実味のある物語から不思議なストーリーまで、9つの短編が詰まった一冊。

「これは“本”にまつわるストーリーを集めた一冊です。
 
私はもともと、小さい頃から本が好きだったのですが、本屋さんでこの本に出会ってから、さらに読書の時間を大切にするようになりました。
 
“人と人”と同じように、“人と本”も一期一会なのだなあと、温かな気持ちになれます」

 

親友たちとの友情を大切にしたくなる!

▼『夜のピクニック』(恩田陸 著/新潮文庫)
 
上白石萌音がおすすめ!高校生が「高校時代に読んでおくべき本」
 
主人公・甲田貴子が通う北高には、全校生徒が夜を徹して80km歩く伝統行事「歩行祭」がある。ある想いを抱いて歩行祭にのぞむ貴子と、その親友たちの一夜を描く青春小説。

「『歩行祭』という高校生活最後の行事の物語です。
 
80kmという長い距離をひたすら歩くなかで想いをめぐらせたり、学生生活の思い出や将来の夢を語りあったりする彼女たちのことを、この本を読み終わる頃にはとてもうらやましく感じました。
 
高校生活の尊さや、友情の温かさを感じてほしいです」

 

他人への接し方を考えさせられる!

▼『夜と霧』(ヴィクトール・フランクル 著・池田香代子 訳/みすず書房)
 
上白石萌音がおすすめ!高校生が「高校時代に読んでおくべき本」
 
ユダヤ人の精神分析学者がつづった、ナチスの強制収容所での体験記。
 
精神分析学を用いて、収容される側の人間はもちろん、彼らを残虐に扱う監督官側の心理も考察している。「人間とはなにものか」という疑問を解き明かす、哲学的な一冊。

「私自身が高校3年間で読んだ本のなかで、心に一番刻まれた本です。
 
ナチスの強制収容所のお話なのですが、人間の『弱さ』や『強さ』が歴史上の事実とともに淡々と描かれています。
 
その描写に衝撃を受けながら読み終えたとき、私のなかで考え方が大きく変わりました。なかなか手が出にくい内容かもしれませんが、ぜひ読んでほしい一冊です」

 

「親子」の関係を大切にしたくなる!

▼『チルドレン』(伊坂幸太郎 著/講談社文庫)
 
上白石萌音がおすすめ!高校生が「高校時代に読んでおくべき本」
 
家庭裁判所調査官の陣内は、独特な正義感を持っていて、いつも周りの人を自分のペースに引き込んでしまうが、なぜか憎めない男。
 
彼や彼の友人の周りで起こる5つの事件が合わさったとき、予想もしなかった奇跡が降り注ぐ…。

「私が今、一番好きな作家さんが描いた、大好きな一冊です。
 
いくつかの短いお話がつながっていく“連作短編集”で、ラストまで読んだあとの爽快感がたまりません。この小説をつづる『親子』というひとつのテーマには、クスリと笑わせられながら、はたと考えさせられました」

 

夢を目指して努力したくなる!

▼『羊と鋼の森』(宮下奈都 著/文春文庫)
 
上白石萌音がおすすめ!高校生が「高校時代に読んでおくべき本」
 
主人公・外村は、高校時代に出会ったあるピアノ調律師に憧れて、自分も調律師として働き始める。
 
彼はピアノの音と真剣に向き合いながら、ピアノを愛する双子姉妹や個性的な先輩、恩師との交流を通して大きく成長していく。

「この小説の実写映画に出演することが決まってから初めて読んだのですが、途中から自分の物語のように感じて、何度も涙が出そうになりました。
 
木々の揺れる音、匂い、温かみ、そしてピアノの旋律まで聞こえてくる不思議な原作で、何度も繰り返し読みました。
 
高校生の時期に調律師を目指し始め、そこから成長していく主人公の“努力”や、それを支える周りの先輩やお客さんの“優しさ”が心に残る一冊です。
 
全国の皆さんに読んでいただきたい小説ですし、映画もぜひ観ていただきたいです」

 

海外小説の原文を読むと英語力が身につく!

最後に、上白石さんが“読書”で得たものを聞いてみた。

「私自身、高校時代は定期テストや受験勉強の合間をぬって、たくさん読書していました。
 
同じクラスにいた読書の趣味が合う女の子とは、お互いにおすすめの本をよく紹介し合っていたんですが、その関係は高校卒業後の今も続いています。
 
あと、私は英語が好きで、高校当時は翻訳のお仕事にも興味をもっていたので、好きな海外小説を原文で読むこともありました。描かれた物語を楽しみながら英語力を上げられるおすすめの勉強法です。
 
やさしいレベルの英語で書かれている洋書もたくさんあるので、興味がある人は試してみてください!」

 
心温まる小説を中心に、数多くの本を紹介してくれた上白石さん。
 
本屋に行って、彼女のおすすめ本を手にとってみては?
 
◆上白石さんが出演している映画『羊と鋼の森』は、全国東宝系にて公開中!
 
上白石萌音がおすすめ!高校生が「高校時代に読んでおくべき本」
 
上白石萌音がおすすめ!高校生が「高校時代に読んでおくべき本」

©2018「羊と鋼の森」製作委員会