お金をかけずに国内で!国際交流キャンプ
グローバル化が進む現代社会。英語が話せ、国際感覚をもって、世界各国の人々とコミュニケーションできる人材が求められている。そんな社会で生きていく力をつけるために、海外留学は有効な手段だが、「そんなお金はない」「いきなり海外留学するのは不安」…などと行動をためらっている高校生もいるのでは?
そんな高校生にこの夏オススメしたいのが、日本国内でできる国際交流だ。夏休みにはさまざまな団体が、海外の大学生や留学生と交流できるサマーキャンプを企画している。こうしたイベントを利用すれば、お金をかけず手軽に海外留学に近い体験が可能なのだ。
では、国際交流サマーキャンプとはいったいどのようなものか。実際に体験した高校生に聞いてみた。
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和洋国府台女子高校2年生の神山かおりさんは昨年、国際教育交流団体AFSが主催する「国際交流キャンプ」に参加。日本国内外の中高生127人(うち留学生21人)が集まり、伊豆大島で4日間のキャンプを行った。自然の中で運動会やウォークラリーで体を動かしたり、ディスカッションやキャンプファイヤーで交流を深めるなど、さまざまなアクティビティを楽しんだという。
「一番印象に残っているのが、夜のダンスパーティーです。はやりの曲に合わせて自由に体を動かして楽しかったのですが、私も含め日本人は手拍子ぐらいで同じ動きになりがち。でも、留学生は気分が乗ってくるとソロで踊りだしたり、自己表現の仕方が違うなあと感じました」(神山さん、以下同)
キャンプでは主に10人弱の班別で活動。神山さんの班にはアイスランド人とマレーシア人の高校生が入り、一緒に活動した。
「『Don’t be Shy』と自分に言い聞かせ、積極的に話しかけるようにしたら、留学生ともすぐ打ち解けることができました。班や国は関係なく、仲良くなった人たちとは今でも連絡をとっていて、良い関係が続いています」
神山さんは以前から「いずれは海外留学したい」と考えていたが、キャンプに参加したことで留学の目的が少し変わったという。
「キャンプで『相手を思う気持ちや友情に国籍は関係ないんだ』と実感できました。そのことで留学のイメージがより具体的になり、語学を学ぶためだけに留学するのではなく、友達をつくっていろんな価値観を知り、自分の考えを深めたいと考えるようになりました」
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神山さんが参加した関東のキャンプ以外にも、AFSでは全国各地で「国際交流サマーキャンプ」を開催している。日程は2~4日間で、費用は5000~3万円程度。募集締切は6~7月前半(開催地によって異なる)。
ほかにも国際交流イベントを行う団体は多い。NPOユートレック「国際サマーキャンプ」は、7月30日から8月2日に長野県志賀高原にて開催予定。美しい自然の中でのさまざまなアウトドア活動を通じて、国内外から参加する若者と交流できる。費用は新宿発5万4800円、名古屋発が5万6800円。応募締切は7月4日(木)。
大学主催イベントのなかには、留学の疑似体験ができるものも。テンプル大学ジャパンキャンパスの「高校生のためのTUJサマーカレッジ」は、8日間の日程を都内のキャンパスで英語のみで過ごすもの。高校生向けにアレンジされた大学の授業内容を、アメリカの参加型授業スタイルで学ぶことができる。費用は8万円。第一次募集の締切は5月31日(金)だ。
みんなの地域でも国際交流サマーキャンプが開催されるかも? 興味がある人は留学支援団体やNPO、国際交流に力を入れる大学などが行うイベントをチェックしてみよう。
タイトル写真提供:公益財団法人AFS日本協会