日本の政治を高校生はこう見ている!
7月下旬、参議院選挙が行われる予定だ。
現在、参議院では野党が多数を占めている。安倍政権が高い支持率を維持するなか、自民党などの政権与党が民主党などの野党から議席を奪い、「ねじれ」が解消できるかなどに注目が集まっている。
そこで今回、高校生400人を対象に日本の政治についてアンケート調査(2013年4月リクナビ進学調べ)を行った。
そもそも高校生は政治に興味があるのだろうか?
「ある」と答えたのは33.9%、「ない」は66.1%だった。
しかし「日本の将来に不安はあるか?」という問いには「ある」が73.6%、「ない」が26・4%と圧倒的に「ある」という答えが多かった。政治には興味がないが、日本の将来には不安を感じている、というのが今の高校生の多数派を占めているようだ。
次に現在、争点になっている政治課題について、高校生の意見を聞いてみた。
・消費税増税について賛成ですか。
→はい…31.2%、いいえ…68.8%
・新基準を満たした原発は再稼働すべきだと思いますか。
→はい…43.5%、いいえ…56.5%
・2030年代の原発稼働ゼロを目指す政府の目標について、支持しますか。
→はい…53.1%、いいえ…46.9%
・東日本大震災の復興予算を被災地以外の防災対策に使ってもいいと思いますか。
→はい…40.4%、いいえ…59.6%
・政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化したことを評価しますか。
→はい…65.1%、いいえ…34.9%
・TPPへの参加に賛成ですか。
→はい…37.7%、いいえ…62.3%
・憲法を改正して、一院制にすることに賛成ですか。
→はい…22.6%、いいえ…77.4%
・女性宮家の創設にあなたは賛成ですか。
→はい…56.0%、いいえ…44.0%
消費税増税(反対68.8%)、原発の再稼働(反対56.5%)、TPPへの参加(反対62.3%)などについては、反対が過半数を占めた。一方、尖閣諸島の国有化(賛成65.1%)、女性宮家の創設(56.0%)などは賛成が過半数を占める結果となった。
こうしてみると政治的課題がどんなものなのかを知り、それに対して自分がどんな立場をとるのか考えることは、日本の将来を考えることに深くかかわっていることがわかるだろう。
でもやはり高校生にとって、政治が遠い世界のことで、自分にかかわりのある身近な問題とは思えないのはあたりまえなのかもしれない。
そこで近年、「シチズンシップ教育」に力を入れる高校が増えている。これは私たち国民、一人ひとりが社会を構成する市民としての自覚を高めるための教育のこと。政治、司法、地域社会などに参加することの意義や大切さを実践的に学ぶ。
神奈川県ではシチズンシップ教育が盛んで、国政選挙の際には県内すべての公立高校で模擬投票が行われる。この夏の参議院選挙でもその予定だ。
2010~2012年度に県からシチズンシップ教育の研究指定を受けた神奈川県立湘南台高校では、特にこの取り組みが盛ん。模擬議会を行い、消費税の増税など、身近な課題について議論したこともある。
一昨年の衆議院選挙のときにも模擬選挙が行われた。当時、模擬投票を行った生徒からは、
「以前よりは、選挙に関心が出てきた。前は、何気なく見ていた政治に関する話題のテレビや新聞を少し見るようになった」
「大人になってからしか体験できないことが早くできてよかった。いろいろと調べて投票しないといけないので大変だった」
などの感想があり、政治への関心が高まったことがうかがえる。
ちなみに「日本の政治.com」は、日本の政治を身近に感じられるサイトとして注目を集めている。なかでも「大規模な公共事業は継続すべきである」など、いくつかの政治課題に対して「賛成」か「反対」かをクリックすると、自分の考えに最も近い政党や議員がわかる「投票マッチング」の機能は人気だ。各党の政策、政治課題の解説などもわかりやすく紹介されているので、ぜひ一度見てみては?
政治に関心をもつことは、私たちの未来を考えること。ぜひこの夏の参議院選挙で誰に投票したいか、どの党を支持するのか真剣に考え、選挙の行方に注目してみてほしい。