このテーマの他のインデックス
92正しい戦争はある?
戦後のない国で育った詩人の挑戦
たんに「戦後」と言ってもアメリカでは伝わらない。第二次大戦後も朝鮮戦争からイラク戦争までずっと戦争を続けてきたからだ。戦後のない国で育ったアーサー・ビナードは、「戦後」という言葉が孕む矛盾に気がつき、日本人の太平洋戦争体験者たちから戦争体験を聴くことにした。彼ら23人は元敵国の詩人に何を語るのか。
93独裁者は突然に
ガンジーとトロツキーが教授候補!?
満州は超ダイナミックな歴史装置。少し分かると近代史がたちまち面白くなる。物語の舞台の建国大学はアジア最高学府として構想された。ガンジーや革命家・トロツキーが教授候補。ナショナリズムが吹き荒れる時代、民族共和を掲げる自由で不思議な大学だった。マンガだけど本格歴史書。満州を旅してほしい。
94格差はなぜ生まれる?
アメリカンドリームの怖ろしい悪夢
どんなに貧しくても実力さえあれば成功を掴むことができる。これがアメリカの自慢だった。そのアメリカンドリームが悪夢になりつつある。貧富の差がチャンスの差になろうとしている。生まれた瞬間にほとんど人生が決まってしまうようなものだ。日本だって危ない。そんな人生、誰が望むの?
95止まらないテロ
20世紀の不都合な真実100枚
環境問題や戦争、難民や貧困を象徴するショッキングな100枚の写真を通して百年の愚行を振り返る。20世紀の不都合な真実が列挙される。日本の写真も少なくない。3.11を筆頭に21世紀になってもいっこうに愚行は止まらない。愚行を繰り返さないためにはどうすればいいのか。目を背けたくなる写真ばかりだ。
96国境は誰が決めた?
国境が直線の理由
スーダンとエジプトとリビアの国境線はなぜ直線なのか。現在の国境は西洋列強が線引きした。帝国主義国が世界を分割する野望に燃えていた19世紀末から20世紀にかけてのこと。そのときアフリカもアラブもズタズタに分断されてしまったのだ。
97隣国とともに
ジニは「先に大人になる」を選んだ
著者の崔実は在日コリアン三世だ。在日の子どもたちは、日本の小学校に入学すると同時にある選択を迫られると書く。誰よりも先に大人になるか、他の子供のように暴れまわるか。主人公・ジニは前者を選んだ。感情を殺し、差別をアタマで理解する決心をしたのだ。二つの言語の間で生きた少女が起こした革命とは? 群像新人文学賞を受賞した物語。