PART V遊びと創造のアート26アートに狂う

アート、芸術、美術、いろんな言い方があるけれど、アートってなんだろう。そもそもなんのためにあるんだろう。

美術展やアートのお祭りで作品を目にすることもある。街の中にオブジェが置かれたりもしている。駅や図書館の壁に絵がかかっていたりする。

考えてみたら面白いものだ。だって、あってもなくてもいいような気がするのに、歴史を見てみると人間は洞窟で暮らしていた時代から壁画を描いたりして、なんだかアートのようなことをしてきている。そしてほとんど途切れることもなく、どんな時代にもアートの痕跡が残っている。

なぜ人類はアートをやめなかったのだろう。そこにはきっとなにかがあるはずだ。

そんな疑問を頭に入れて、アートの世界を歩いてみよう。

だいたい芸術家ってどんなふうに暮らしているんだろう。毎日どんなふうに制作しているんだろう。どうしたらあんな面白いものを思いつくんだろう。謎がいっぱいだ。

世の中には芸術家を養成する場所もある。作品を集めて展示する美術館もある。作品はオークションやギャラリーで売買される。個人が作品を買い集めてコレクションしたりもする。街や地域をひっくるめた大がかりなアートプロジェクトもあちこちで行われている。アートに対する評価もなされている。

それになによりアートは、最先端のテクノロジーも使って、まだ誰も見たことのないものを生み出している。

そう、人がまだ体験したことのない感覚や感情を生み出すこと。しかも、作品を通じて、それに触れた人の心に変化をもたらすこと。実はそれがアートの極意なのだ。

未知の体験を求めて、アートの世界へ入っていこう。