PART IV言葉と哲学のメソッド22本の読み方、教えます

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本にはいろんな読み方がある。

小説を楽しむときのようなスルスルっと進む読み方もあれば、ちょっと込み入った哲学書や科学書を読むときのようにじっくり熟読するやり方もある。さらには外国語で書かれた本を、辞書や文法書を頼りに読んだり、あるいはさっと斜め読みや速読をするなんてことも。

これはほんの一例で、本当にいろんな読み方がある。

本とどうつきあうか。これは一見些細なことのように思えるかもしれないけれど、実際には長い人生を大きく左右してしまう可能性だってある。

だってほら、普通に暮らしていたらとうてい味わえないようなこと、自分では思いもつかないことを本のうえなら体験できる。

それに、ちょっと大袈裟に聞こえるかもだけど、本には文字が発明されてから過去五千年分くらいの蓄積がある。それこそ古今東西の智恵や考え方や創作物の宝庫だ。

その宝物庫からどんなお宝をとりだせるかは、ひとえに自分の腕にかかっている。そこで重要なのが、本とのつきあい方、読書術なのだ。

本の余白をノート代わりに書き込みをしたり、何人かの人と話しあいながら読む読書会をしたりするのもいい。達人になると、もはや中を読まなくても語れるらしい!?

――でもやっぱり読書は苦手だな。

そんな人もご心配なく。読書には唯一正しいやり方なんてないし、楽しみ方はいろいろある。まずは多様な読書術を目に入れてみよう。気になるやり方からチャレンジしてみれば、やがてどんどん面白くなるよ。

144読んでなくても大丈夫

美術界の巨匠は読書嫌い!?

日本美術界の巨匠・横尾忠則は本嫌いだ。そんな横尾に、物好きな編集者が書評を依頼した。横尾は重い腰を上げ、そこから8年、朝日新聞に書評を書き続けた。あいかわらず読書は好きじゃないけれど、読んだ本の何かが作品や人生につながっていると言う。133冊の書評から、横尾忠則の頭の中を覗いてほしい。

145こんな読み方だってある

ぐずぐず読めば見えてくる

短編小説を11年かけて読む。著者が決めたことは「なかなか読み出さないこと」と「できるだけ長い間読み続けること」。本書では、最初に横光利一の『機械』を読み始めるのだが、タイトルだけを見て、あれこれと考える。機械について、人間について、読んでいないのに思索する。だから先に進まない。でも、この脱線や妄想や飛躍や誤読こそ、大事なのだ。読むことではなく、考えることを問い直す。ゆっくりぐずぐず読んでほしい。

146いまのうちに読書術

文豪の書斎へようこそ

優れた読書家でもあったドイツの作家ヘッセが読書の方法を公開した。ヘッセは静かに語り始める。どのように本と付き合うか、何を読めばいいのか、本が持つ魔力とは何か。友達の話を注意深く聞くように本を読めば、本はその人のものとなり、喜びにも慰めにもなる。ちょっと背伸びをして、ヘッセの語りに耳を傾けてほしい。

147本のまわりの仕事

編集者は本をつくるだけじゃない

本の編集、雑誌の編集、マンガの編集・・・編集者は地味で本をつくることばかり考えている? そうではないと、著者は言う。編集とは「メディアを活用して状況を変化させるチカラ」だと定義する。本だけではなく、お店や人やアートも使って、人や街を変化させる。だから、編集者の仕事は「魔法」のようなものだ。新しい仕事を生み出す著者の仕事術も要注目。

148やっぱり、本が好き

読んでいる人を見るのは心地いい

モノクロームの写真は、本の世界に身を投じている人々の時間を切り取る。庭先で、街角で、木陰で、教室で。ひなたぼっこしながら、友達と並んで、時にかたくるしく、時にリラックスして・・・。見えないはずの読み手の頭の中まで写す写真集。読む時間を体験してほしい。

149本屋さんの物語

本屋は文化と芸術の始まりの場所

本屋さんは、本を売るだけの場所じゃない。ニューヨークの「スクリブナーズ書店」にはフィッツジェラルドのようなアメリカの作家が立ち寄り、パリの「シェイクスピア・アンド・カンパニー書店」にはヨーロッパの文豪たちが集まった。本屋は文化や芸術の始まりの場所だ。個性豊かな75の書店が「ニューヨーカー誌」のイラストレーターによって鮮やかに蘇る。こんな本屋が近所に欲しい!

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