三菱重工業に入社して10年。経営管理、CSR、広報とさまざまな部署を経験させていただき、現在は人事を担当しています。三菱重工グループの製品は、船、飛行機、インフラを支える発電システムやプラントをはじめ、大勢の人の連携なくしては完成しないものばかり。技術系、事務系、いろいろな分野の社員が力を合わせています。部署やポジションによって仕事内容も異なるため、たとえば働き方ひとつ取っても正解はありません。人事としてそのような違いを理解するためにも、一人ひとりを知ることがまず重要だと思うので、挨拶をする、時間を守る、メールは必ず返すといった本当に基本的なことですが、日々の積み重ねを大事にしています。
オープンキャンパス(OC)スタッフ、マンドリンクラブの練習、メディアセンターでのアルバイトと幅広い活動に取り組んでいて、朝から夜までキャンパスにいるような学生でした。その中でもOCスタッフの学生チーフを務めたことは強く心に刻まれています。当時、学生のスタッフ数は150名ほどで、そのような大きな組織やイベントを運営するのは初めての経験でした。研修を行い、みんなの意見に耳を傾け、各自に仕事を割り振り…そんな中、私の言葉ひとつでスタッフの意識が変わり、それがOC来場者の反応にも伝播する瞬間を目の当たりにし、世界が大きく開けました。あの経験によって「一人ひとりと向き合う」という大切な力が養われたと思います。
人事や広報の仕事を通して、年齢もキャリアも部署も異なる社員と話をする中、「違いを越えて人と人をつなぐものは何か」ということを考えるようになりました。ものづくりへの責任や情熱、いろいろあると思いますが、私はやはり毎日のコミュニケーションを大切に相手との信頼を育んでいきたい。今後も経験を重ねながら、自分が蓄積してきたものをトータルで活かせる仕事ができれば嬉しいですね。大学時代、入学センターの職員の方とともにOCを運営するなど、自分と異なる立場の人と協働した経験が、多様な人の中でも臆せず仕事ができる自分につながっています。人生で大切な4年間を、あの温かな雰囲気のキャンパスで過ごせて本当によかったです。
三菱重工業株式会社 勤務/法学部法学科/2009年卒/法は社会の共通ルール、それを学べば将来どんな仕事にも対応できるとの思いから法学部に進学。「高校までは法学=法律を覚えること中心だと思っていましたが、立教の授業は、ある問題にどの法律をあてはめ、どう解釈するかを“考える”内容で視野が広がりました」。大学で得た知識や法的な物の見方は、仕事のあらゆる場面で役に立っていると話す。「今後は人事業務の知識やスキルを磨きながら、たとえば、広報のことも人事のこともわかる経営企画など、さらにその先をめざして頑張っていきたいです」。