有限会社稲垣義肢という製販一貫性の義肢装具製作会社に勤務しており、週2回の病院営業と社内での製作の仕事をしています。病院営業では、整形外科病院や総合病院、クリニックなどに伺っています。社内では、主に義肢装具の陽性モデル修正から仕上げまでを行なっています。自分で採型を行い、製作した義肢装具が上手く適合し、患者さんから感謝していただける時に1番やりがいを感じます。そして、もっと良いモノを作ろうと前向きな気持ちで次の仕事をすることができます。今は女性の義肢装具士も増えてきていますが、やはりまだ男性が多い職業なので「女性の義肢装具士さんで良かった」という声を聞くと、この仕事を選んで良かったと思います。
私は福祉系の高校に通っており、介護や医療について勉強する中で「多職種連携」の 授業で義肢装具士という職種を知ったことがきっかけです。義肢装具士は認知度の高い職種ではありませんが、仕事について知るに連れて多職種連携を行ううえでコメディカルチームの一員として重要な職種であることが分かりました。女性の義肢装具士はまだ人数が少なく、不安を感じる部分もありましたが、患者の中には女性や思春期の女児も多く、同性である女性の義肢装具士が必要とされていると強く感じ、義肢装具士を志望しました。
3年間で学んだ義肢装具に関する基本的な知識や、医学的な知識は臨床でも大いに活かされていると思います。さらに、製作実習ではモデル被験者に対して採型から適合まで経験できたことで、臨床で必要な患者さんへの対応力やコミュニケーションについて学ぶことが出来ました。義肢装具士はモノづくりだけではなく、コミュニケーションも必要な仕事です。大変なことも多くありますが、義肢装具を通して患者さんの生活の質を高めるお手伝いができる、とても素敵な仕事だと思います。
有限会社 稲垣義肢勤務/義肢装具学科 卒/2019年卒