数年前、大手ビールブランドのコンテストにタンブラーを出品し1位になりました。たくさんのお客さまから「すごいね!」と褒めていただき、現在の創作活動の糧になっています。やはり、お客さまにその大切な作品を気に入っていただけたとき、最もやりがいを感じます。
1・2年生では主にろくろの技術など実習をメインに学びました。土の管理や削りの調整など、すべての工程を一貫して勉強できるのはTASKならではですし、今に至る財産になっています。3年生になって釉薬の実験が始まると、さまざまな調合を試しました。この色ならどんなやり方でどんな焼き方がいいのか、その場で先生に聞いてすぐに実践。何通りも試した経験は、今の活動の基礎になっています。一番印象に残っているのは実習室です。開放されていることが多かったので、朝の授業前や授業後にろくろを回しに行き、時間の無駄なくどんどん技術を吸収できました。
今後は一人でも多くの方に作品を届けること、そして私の好きな「氷製貫入釉」という釉薬を多くの人に知ってもらうのが目標です。最近、近くの山から土を採取し、自分で調合を考えて新たな制作を始めました。地域の素材と自分の技術を組み合わせて、いつか地元亀岡の役に立てればうれしいです。
「陶房薄氷」代表 /伝統工芸学科 陶芸専攻/2013年3月卒/TASK卒業後は信楽の窯元に就職。4年間勤務した後、陶芸作家として独立し、京都・亀岡に工房を開く。