ヘッドコーチを務めるトレーナーチームでは、学内外の医科学サポートを中心に、学生の人間形成がコンセプト。クラブ活動が活発で実技の授業も多いので、予防はもちろん、怪我に対して迅速な対応が課題となります。すべてのクラブ活動などを一人で担当するのは困難なので、協力してくれる学生トレーナーを育成し、怪我などの際には現場で対応できる仕組みを構築。学生たちは実践的な活動を通して、トレーナーとして着実に力を伸ばしています。またコンディショニング室の室長としても活動しており、競技力向上のトレーニング管理から、怪我予防のためのフィジカルチェック、怪我の際の対応など、スポーツに特化した支援を幅広く展開。約40年前にスタートしたこの取り組みは日本ではまだ数が少なく、大学の認証評価からも高く評価されています。
「教科書で得た知識はすぐに使えるとは限りません。現場などで使えるよう工夫し、実践するためには知恵が必要なのです」と語る笠原教授。科学的根拠を用いて実践を重ねると、予測できなかった発見があるという。その一つが「なぜ農村に暮らす高齢者の方は姿勢が良いのか」という研究。日常的に草刈り機を使う方が多いので、作業時に筋電図を測定したところ、体幹トレーニングと同等の負荷がかかっていることが判明。素朴な疑問からのスタートでも科学的な実験によって裏付けられ、驚きや発見があることが、この研究の醍醐味となっている。
まずは何でも一生懸命取り組むことが大切です。大学選びはゴールではありません。大きな困難にぶつかった経験や、興味が出てきたことなどは、大学で何をどう学ぶか考えるための大きな武器になります。
専門:コンディショニング科学、アスレティックトレーニング。2005年国際武道大学大学院武道・スポーツ研究科修了後、国際武道大学トレーニング室アスレティックトレーナー、体育学部スポーツトレーナー学科助教を歴任。2012年鹿屋体育大学大学院博士後期課程修了 学術博士(体育学)。2020年より体育学部体育学科教授。同時にトレーナーチームヘッドコーチ、コンディショニング室室長も務めている。