知的財産制度がどのように登場し、発展、進化してきたのか、現在どのような課題があるのかを考えるのが私の研究テーマです。有益な無形の情報(知的財産)を最も有効に活用できる方法は、時代によりどんどん変わってきました。今後どのように変わっていくのか考えることはとても面白く、ワクワクします。特に激烈に変化しているのが「著作権制度」です。インターネットなど技術の進歩で、それまでの仕組みが合わなくなってきました。たとえば、音楽がレコードやCDで販売されていた時代は制作者の権利を守りやすかったのですが、デジタル化され、ネットで自在にやりとりできるようになると保護する仕組みが新たに必要になります。こうした時代の変化に著作権制度をどう適応させるかが現代の大きな課題であり、私の研究関心もそこにあります。
松平先生が大切にしているのは、学生が考える力を養えるようにすること。そのため講義では身近な問題を取り上げます。「たとえば立ち読みは著作権侵害になるか?スマホで撮影したら?ネットに公開したら?そうした問題を論理的に考える思考法や決め手となる基準を示し、一緒に考え、解決にたどり着くようにしています」。ゼミではグループ研究を活用。「知的財産法は様々な制度が合体し複雑なのですが、『特許法』『著作権法』『商標法』『意匠法』などグループに分かれて研究してもらい、各制度の特徴や面白さを発表してもらいます」
大学で学び、考えて身につけた知識と知恵は、みなさんの“財産”になります。どんな財産を得るかは自分次第。何かを得ようとする意欲と、それを自ら活かそうとする姿勢を持ち、4年間自分を磨きに来てください。
明治大学法学部卒。成城大学大学院修士課程修了(法学修士)。明治大学大学院法学研究科 博士課程単位取得満期退学。明治大学法学部助手を経て、知的財産研究所の主任研究員に。2003年4月より駿河台大学法学部法律学科准教授。高校時代は英語劇、大学時代はテニスに打ち込む。アルバイトでテニスのコーチをしたことが、教員として学生を指導するときのベースになっているという。駿河台大学ではゴルフ部の顧問を務める。