2019年台風で千葉県内の送電線が倒壊し、「停電」と「通信網切断」という甚大な被害が出たのは記憶に新しいですよね。携帯電話やスマートフォンが充電できず、電波も受信できなくなったら…あなたはどうしますか?そんな時でも「必要な情報を確実に手に入れる」ことができるよう、移動体通信の新しい仕組みを研究しています。既に携帯電話を基地局の代わりに用いて電波を飛ばす方法がありますが、携帯電話の代わりにドローンを使いドローンからドローンへと『電波』を飛ばすと共に、ドローンにバッテリーを積み無線で給電できるよう『電気』も送る情報ネットワークを考えています。どんな時も、どんな場所へも、つなげる研究はまだまだ広がります。「こんなことができたらいい な」という何気ない思いが新しい発想になるんです。
『なぜインターネットにつながるのか』といったネットワークの基礎からスタートし根本的な仕組みを理解した上で、ケーブルを用いたネットワーク、無線を用いたネットワークと理解を深めていく。知識を丁寧に積み上げるためどんな人でも挑戦できると塩川教授。「この分野はゴールに至るプロセスをイメージできる人に向いています。文系の人でも大丈夫!」。研究室は、人と関わりを大切にコミュニケーションが盛んで、他大学の学生との交流も。多彩な刺激を受けロジカルシンキングを身につけた学生達は、様々な方面に活躍の場を広げている。
例えばゲームをしていて、自分の指の動きと同時にパンチがヒットするとか、すぐに勝ち負けの判定が出るとか、当たり前の中にどんな仕組みがあるのか考えてみよう。そこから興味が広がっていくかもしれませんよ!
1998年慶應義塾大学大学院博士後期課程修了。名古屋工業大学電気情報工学科助手、神奈川工科大学情報ネットワーク工学科助手、助教授を経て教授、現在に至る。無線マルチホップネットワークの研究に従事。博士(工学)。電子情報通信学会シニア会員。1996年同会交換システム研究会優秀論文賞、2019年同会通信ソサイエティ功労顕彰受賞、2020年同会教育功労賞受賞。