広い範囲の解析に適している衛星画像に対し、ドローンを使って撮影した画像は特定の範囲を解析するのに向いています。そこに着目し、ドローンによる画像を環境、農業、防災など、さまざまな分野で利活用する研究に取り組んでいます。2011年に酪農学園大学が設立した「農業環境情報サービスセンター」との連携により、ドローン画像から牧草の収量・栄養価を推定するシステムや、美唄市の宮島沼に飛来するマガンの数を自動カウントするシステムを開発し、実績を積み重ねてきました。いずれもドローンとGIS(地理情報システム)、AIによるディープラーニング(機械学習)などを組み合わせて実現したもので、他の分野への応用も可能。各分野が求める情報をタイムリーに提供することで「持続可能な社会」の実現につなげていければと考えています。
授業・実習では、地球環境の変化をモニタリングするための衛星画像の利用法や解析方法を指導。実際にパソコンを使って学生自らが衛星画像を解析したり、ドローンを飛ばして撮影した画像を解析する演習もあります。ゼミ生は各省庁、民間企業、農業関連団体などとの共同研究に参加し、現地に出向いてドローンを使った調査・解析を経験。実際の課題に取り組むことで実践的なスキルを習得するとともに、責任感や使命感なども養います。「うまくいかなかったり、失敗しても構いません」と話す小川先生は、経験からの学びを大切にしている。
衛星画像やドローンで撮影した画像の解析など最先端の技術を身につけ、現実の課題を解決できる力を養ってください。大学では、16歳以上を対象にドローンの操縦資格が取れる「教習コース」を設置しています。
専門:衛星画像解析(リモートセンシング)、ドローン利活用、GIS、環境・農業・防災分野での技術利活用
神奈川出身。1994年、早稲田大学教育学部地学専修卒業。2006年、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、博士(工学)。SEとして働いていた民間企業時代、約2年間にわたってアメリカに留学し、衛星画像の研究に従事。現在、日本リモートセンシング学会理事、日本写真測量学会理事、北海道ドローン協会会長なども務めている。