授業で心掛けていることの一つは、技術の裏側にある「理論」もしっかり指導するということです。たとえばプリンをつくる際、ゼラチンの濃度や冷やす際の温度、時間などによって、食感は大きく変わってきます。それらの数値を知って調理をすれば、経験則に頼らなくても味の再現性が高まりますし、技術の向上も早められるのです。一方、当然のことながら「技術」も大切です。入学時、ほとんどの生徒は頭でわかっていても、手は思い通りに動いてくれないものです。技術習得には反復練習が不可欠だといえるでしょう。でも心配は無用です。私たち教員が懇切丁寧に指導するので、真剣に学べば、誰でも必ず腕は上がります。そのようにプロの調理師になるために必要な「技術と理論」の両輪を、やさしく、根気よく指導しています。
生徒のなかには早く技術を習得できる人もいれば、少しずつ上達するタイプもいる。そうした生徒の個性に配慮しつつ、褒めて成長を促すことが内野先生のスタイルだ。そうすることで、まずは調理を「楽しむ」ことを知ってもらうという。「褒められて調理が楽しくなれば、人に食べてもらいたくなる。食べた人が喜べば、もっと上手くなりたいと考えて練習や工夫をするようになる。そうしたサイクルを生み出すことができれば、生徒は自ら成長していくものです」と内野先生。そうした好循環を生み出す手腕が高く評価されている。
本校を出て現場で活躍した教員が多いことが、この学校の特色の一つ。後輩である生徒に対して愛情をこめて指導し、就職までしっかりサポートしています。そんな校風のなかで、調理のプロを目指してください。
専門:中華料理
新宿調理師専門学校卒業。『赤坂 維新號』に10年間勤務して調理の腕を磨いた後、母校に戻って後進の指導に携わっている。「大きな包丁や鍋や振るい、強い火力で仕上げる。そうしたダイナミックな側面がある一方、包丁一本で野菜に様々な造形を施す繊細な一面もあるなど、中国料理は奥深い調理技術を含んでいます。そのような中国料理の魅力を伝えていきたいと思っています。まずは気軽に学校へ見学に来てください」