お菓子作りを学び、携わるようになって約18年経ちましたが、今でも「なぜ?」「どうして?」という疑問は尽きません。同じ材料を使っていても、量や混ぜる順番、作る人によってもでき上がるものが変わってきます。例えば、全卵をよく混ぜるのか、卵黄と卵白を分けて泡立てるのかの違いでも生地の焼き上がりが大きく変わりますし、材料の組み合わせを少し変えるだけで多彩なお菓子を創り出すことができます。お菓子作りのおもしろさは、そんな無限の可能性が広がること。お菓子への尽きない好奇心と負けず嫌いな性格が、多数のコンテストへ挑戦する原動力にもつながっています。一人のパティシエールとして、よりおいしく美しい菓子を追求するとともに、私の技術や知識を学生にフィードバックできるよう、私自身も日々勉強し努力しています。
実習では、まず先生の実演を見て実際に練習し、先生の指導や実践を重ねていくことで技術を身につけていきます。「授業の中では失敗してしまうこともあります。しかし、失敗からこそ多くを学べます。なぜ上手くいかなかったのかを考え、次に活かすことが大切なのです」と杉山先生。製菓技術学科の学生は3人1グループで作業を行います。「3人だから菓子に触れる回数も多いですし、協力して仕事を進める中でコミュニケーションの仕方も勉強できます。ここでしっかり基礎を身につけ、自信を持って社会に羽ばたいてほしいですね」。
生活への潤いや心の安らぎをもたらす「お菓子」は、コロナ禍でこれまでの日常が非日常になったいま、ますます必要不可欠なものになってます。そんなお菓子を作り、誰かのために幸せを届けられる人になりませんか?
専門分野/洋菓子
母の影響で幼少の頃よりお菓子作りに親しみ、2003年に日本菓子専門学校卒業後、テオブロマ入社。2008年より日本菓子専門学校洋菓子科教員として在籍。ジャパンケーキショーでは、2010年プティガトー部門銅賞、2018年グランガトー部門銅賞、2019年国内産米粉を使った焼き菓子部門農林水産大臣賞、2021年ギフト菓子部門金賞などコンテスト入賞も多数。製菓衛生師。1級洋菓子製造技能士。