授業では服飾の歴史を教えています。時代ごとのファッションの変遷を知ることで、いま流行っている服飾のルーツがわかるようになりますし、次のトレンドを察知するヒントも見つかるんですよ。特に授業で力を入れているのは、1950年代から現在にいたるまでのファッションとカルチャーの関係。たとえば50年代に流行ったサブリナパンツやロカビリーファッションは、当時の映画や音楽から多大な影響を受けています。また60年代のモッズは、ロンドンの若者が発信源となったライフスタイル。ファッションは周期的に繰り返すといわれていますが、現在のトレンドには60年代、80年代の影響が色濃く見受けられます。さて、数年後のトレンドはどうなるのか…。授業を受けると、より楽しく、より奥深くファッションを考えられるようになります。
男性のファッションはおよそ14世紀半ばから20世紀までの間、軍服から多くの影響を受けてきました。なぜなら動きやすさや耐久性など、機能性を重視してきたからです。現在のミリタリーファッションも、そうした流れの延長線上にあります。朝日先生が担当している必修授業『メンズデザインコース』では、男性のファッションやストリートファッションの歴史について探究。20人ほどの少人数制の授業で、学内の図書館や文化学園服飾博物館を活用したり、街でフィールドワークをしたりしながら、体験的な学習を行っています。
ファッションが好きな人にとって、文化服装学院はとても良い環境だと思います。著名なファッションデザイナーやスタイリストを育てた指導者が数多くいますし、図書館や服飾博物館などの施設・設備も充実しています。
専門/近現代西洋服飾史、ファッション文化論
略歴/文化服装学院専任講師。早稲田大学文学部卒業後、文化服装学院服飾研究科を修了。その後、同校の講師に就任。研究論文:『近世以降における若者の反抗行動とファッション』『男子服における衿の変遷と考察』。雑誌『装苑』(文化出版局)ほか、ファッション誌へ多数寄稿。書籍『20世紀ファッション』(グラフィック社、2012年9月)を共同監修。