企業の財政状態と経営成績を企業外部の人に「説明する」ことが、私の専門とする財務会計の役割です。例えば株式を購入するなどして企業にお金を出してくれた人に、預かったお金がどうなったか、何に使ったか、どのくらい配当できそうかを説明する。その資料が、どの企業も同じルールに則って作っている決算書です。決算書は、これから会社にお金を出そうとしている人にも、企業選びのヒントになります。決算書を作成するのが簿記で、簿記のルールは500年以上世界的に変わっていません。しかし、社会が変われば企業の経済活動も変化するので、それに合わせて変えなければいけないルールもあります。今の社会ではどんなルール=会計基準を用いるべきか。それを考えるのも財務会計という学問の役割であり、私はそこに面白さを感じています。
3年生のゼミでは「日経STOCKリーグ」に参加しています。「日経STOCKリーグ」とは投資学習のコンテストで、多くの大学生が参加。500万円を元手にした仮想の株式投資を行い、その過程をまとめたレポートを競い合います。最初は気楽に始めた学生も、自分たちの考えた課題や企業の財務状況などを調べているうちに知らない情報の存在に気づき、どんどんと真剣になり、多くの知識が身につきます。また3人以上のチームで参加するルールなので、チームプレイが身につくメリットも。参加した学生たちの成長はめざましく、大塚先生も驚くほどです。
大学に入ったら、新しいことを試してほしいですね。例えば資格に挑戦するとか、苦手なことをあえてやってみるとか。学生時代は失敗が許されるので、新しい自分を発見するために色々なことにチャレンジしてください。
専門分野:財務会計
研究テーマ:・負債としての現在の義務の性質・認識・測定に関する研究・公益性と会計報告に関する研究
略歴:明治大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得退学 修士(経営学)
埼玉学園大学経営学部専任講師・准教授を経て、教授。『ニューステップアップ簿記(第3版)』(共著)(創成社、2022年4年)、『基本から学ぶ会計学』(共著)(中央経済社、2019年4月)など、著書多数。