料理コンテスト番組「CHEF-1グランプリ 2021」に出場し、そのときの様子をご覧になっていた料理人の方々から、たくさんの応援メッセージをいただきました。なかには「コロナでやむなく閉店したが、また挑戦したい」という声も。このとき、これからの食の未来のためにも、料理人を増やす活動をしたいと思いました。その一環として、ベルエポックで講師として教壇に立っています。一方、シェフとして、また人材育成に携わる者として、自らの成長も欠かせないと思い、47都道府県をめぐる修業の旅も決行中。各地の生産者さんからその土地ならではの食材や文化を学んでいます。北海道の食材だけにこだわらず、この旅で知り得たものもミックスさせ、今までの料理人にはなかったものを見出し、学生指導や2024年にオープン予定のレストランに活かしたいです。
特別授業では、下國先生が考案したレシピで実際に調理を体験。レシピどおりに作るのではなく、仕入れた食材の状態やその日の感性に応じて、“今、この瞬間の最高の一品”になるよう随時アレンジする一流の技術を体感できる。このような“いきた料理”を通じて、「料理は作業ではなく創作であり、無限の楽しさを秘めたものであることを感じてもらいたいです」と下國先生は言う。また、授業後に試食タイムもあり。現在、新レストランのオープン準備中によりシェフ業は休業中のため、先生の料理を食べられるのはここだけだ。
料理はずっと続く遊びです。食材や調理法の組み合わせ次第で無限の可能性があり、その面白さに気づいたとき、料理の本当の楽しさを感じられるはずです。きっと、そんな人に料理の神様は微笑むのかなと思います。
専門分野:フランス料理/料理人の父親の影響で料理の道を志し、地元・旭川の調理師専門学校を卒業。箱根「オーベルジュ・オー・ミラドー」等で修業後、フランスの有名店に勤務。2017年、札幌の老舗フレンチレストラン「コートドール」の4代目料理長に就任。2021年、「CHEF-1グランプリ」優勝。現在、札幌ベルエポック製菓調理専門学校の講師として指導を行う一方、日本全国をめぐりながら料理修業に励んでいる。