世界の多くの国では、都市開発や経済政策に必要なデータ整備が遅れています。私はアフリカで多くの人々が持っている携帯電話のデータを活用して人々の分布・移動の様子を明らかにし、交通計画や貧困削減に活用するプロジェクトに携わっています。授業では、学生たちにはなぜデータが必要で、データを分析することで社会のどのような課題解決に役立てることができるのかを教えています。今後は学部の枠を超えて、データをどのように活用し、よりよい社会のためにどう活かせるかの議論をしたいと考えています。データサイエンスやアプリ開発の分野には、理系の知識が必要ですが、アイデアを出し合って議論をするのに学部は関係ありません。枠を取り払った議論から、データ活用の新たな可能性が広がるはず。これから何ができるのか、ワクワクしています。
自主企画ゼミナールでは、オープンキャンパスに参加した高校生の行動分析が行われています。きっかけは、実習形式の授業で学生が、自らオープンキャンパスに関するデータをウェブアンケートで集めて分析していたことでした。新井先生が「センサーやアプリを使えば、データの幅や分析方法がもっと広がる可能性がある」とアドバイス。学生メンバー10人ほどが参加し、オープンキャンパスが大学志望にどのように影響しているかを分析して、より効果的なオープンキャンパスのプログラム設計に活用できるよう取り組んでいます。
麗澤大学には皆さんの想いやチャレンジを、全力でサポートしてくれる教員や先輩がたくさんいます。ぜひ素直な想いや夢を私たちに話してください。皆さんとたくさん話ができる日を楽しみにしています。
専門:空間情報科学、人口地理
略歴:工学部講師。建設工学修士(早稲田大学)、国際開発学修士(政策研究大学院大学)、環境学博士(東京大学)。建築や都市開発関連の仕事を経て、モバイルビッグデータを活用した開発途上国の意思決定支援プロジェクトに従事。現在は国連統計局の専門家委員会のメンバーを務めながら、アフリカを中心にモバイルビッグデータプロジェクトを実施中。2023年度、麗澤大学に着任。