
実践社会学科では、社会と関わる実践を通して、自ら考え、行動し、振り返る力を養う学びを展開しています。その基礎となるのが「ラボ入門」です。複数あるプロジェクトの皮切りとして、アートを切り口に社会との関わり方を学ぶ取り組みが行われています。
担当する谷本 研先生は、地域や人と関わるアートプロジェクトを継続してきた経験を持つアーティストです。授業では、学生同士が協働し、木枠で作った沢山の小さな祠(ほこら)にランタンを灯す「ホコランタン」プロジェクトに取り組みました。完成度や正解を求めるのではなく、他者と協働し、試行錯誤するプロセスそのものを重視しています。アートを通して得られる発想力や関係づくりの経験を通して、常識にとらわれない視点で物事を捉え直す力を育みたいと谷本先生は語ります。

協働と試行錯誤のプロセスを大切に、アートプロジェクトの実践に挑戦
ホコランタンは、谷本先生が地域と関わる中で継続してきたプロジェクトの一つです。ホコラを通して空間に人の思いや記憶を宿し、灯りをともすことで、その場所の意味やあり方を捉え直すことをコンセプトにしています。
学生たちは、ホコランタンの制作から学内での点灯までを主体的に進め、設置場所の検討や計測、役割分担なども自分たちで取り組みました。
谷本先生は「何よりも学生の自主性を大切にしています」と話します。試行錯誤を重ねる中で、学生は自ら判断し行動する経験を積み、協働してアートを形にするプロセスを体感しました。

ホコランタンの制作から、設置場所の検討など、プロジェクト全体を学生たちが主体的に進めます
ホコランタンの点灯は、学生の積み重ねが一気にカタチとして立ち上がる瞬間でした。夜の大学にさまざまなホコランタンが灯り、普段と違って見える空間へと変わりました。谷本先生は「自分たちの努力が日常に影響を与えたことで、“自分で何かを変えられる”実感に繋がったのではないでしょうか」と振り返ります。また、考え方の異なる学生同士が協力し合う関係も育まれました。谷本先生は「アートは“答え”ではなく、考えるきっかけや思いを動かすもの。正解が一つではない課題に向き合い、他者と共に歩む力を育みたいです」と語ります。

ホコランタン点灯の様子。いつもの見慣れたキャンパスが特別な空間に
正解が決まっていないことに、自分なりの答えを見つけたい人に向いています。指示を待つのではなく、仲間と話し合いながら主体的に動き、日常の風景を少し違う視点で捉えてみたい人におすすめです。
【教員紹介】
谷本 研先生
地域やコミュニティと関わるアートプロジェクト、展覧会、ワークショップなどの活動を継続して行い、並行して大学や教育機関にて教育に携わる。2024年4月より京都文教大学 総合社会学部 実践社会学科 講師に着任。授業では、アートを切り口に、学生が主体的に考え、社会と関わるための視点を養う実践的な学びを展開している。
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