近年、人気の高いVR分野ですが、そのVRシステムと人をつなぐユーザインタフェースの研究開発を行っています。そのひとつが、トレーニングを目的としたユーザインタフェースデバイスの技術開発です。サーフィンや自動車などの疑似体験システムを自作しながら、サーフボードに乗った時の身体の動き、車のエンジンの振動などの情報をどう再現するかを追究しています。こうしたVRシステムを使えば、部屋の中にいてもサーフィンの練習が可能になり、ケガをしたアスリートのリハビリにも応用できるかもしれません。また、より現実に近いバーチャル空間を創り出すために、空間で触ったモノの触感や温度を伝えるデバイスの開発も行っています。ゲームの世界で撫でた犬の体温を感じられる…そんな、自然でリアルなバーチャル空間の実現を目指しています。
堀越先生が指導にあたる横断型先端分野学修プログラム・XRメディアコースの3年生が、「東京ゲームショウ2022」に初出展。ブースでは、宇宙を舞台に宇宙生物と戦う3Dリズムアクションゲーム「Rhythm Planet(リズム・プラネット)」を試遊展示しました。学生たちはモデリングやサウンド、プログラミングなど、それぞれの得意分野を生かしながら協働してゲーム制作を進め、いかに面白い構成にするか議論を重ねてきました。チームの結束力も高まり、今後の研究活動にもいい影響を与えてくれる経験となりました。
アニメやSF映画、ゲームの世界では、自由に空を飛んだり、変身することもできます。こうした世界を夢物語として諦める必要はありません。VRを使ってそういったバーチャルな世界を自分の手で実現してみましょう。
専門:ユーザインタフェース、バーチャルリアリティ、3次元画像処理
慶應義塾大学理工学部修士課程修了。1987年日本電信電話株式会社入社。その後、NTTデータ技術開発本部、NTTドコモ先進技術研究所を経て、2014年より現職。現状の枠に捉われず人と人が自然にコミュニケーションを取るには、どのようなインタフェース技術が必要かを研究している。現:工学部情報工学科教授。※2023年4月より情報学部に改組