日本ではまだ議論や研究がされていない領域ではありますが、国際的には子どもや青少年に対する食品や飲料のマーケティングが問題視されています。その理由は、マーケティングの対象商品がお菓子やジュース、ファストフードなどに偏っているからです。子ども達は、これらの商品の、巧みに設計された広告や宣伝にさらされており、その影響力は無視できません。この対策として、諸外国では、法による規制や企業による自主規制が行われていますが、日本での取り組みは遅れています。そこで私は、日本における子ども達に対する食品マーケティングの実態と影響力、その方策を調査・考察し、マクロな視点から子ども達の栄養・食生活を支援するための研究を進めています。同時に、子ども達のメディアリテラシーを向上させる健康・栄養教育の研究もしています。
食行動の変容を効果的に支援するには行動科学の理論やモデルが役立ちます。講義科目でこれらに関する基礎的知識を学び、その後の演習科目で、管理栄養士役・対象者役を学生同士で分担したロールプレイ等を通じて実践的に活用することで、個人や小集団を対象にした栄養教育・指導への適用方法について理解を深めます。総仕上げの実習科目では1対1の栄養指導、1対数名の小規模栄養指導、1対大勢の集団栄養教育等について、企画・運営・評価をし、栄養教育マネジメントサイクルに沿った栄養教育・指導が多様な場で実践できるよう学びます。
食を通して人々の健康づくりを支援していく管理栄養士は素晴らしい職業です。管理栄養士養成校のため、初めて触れる勉強や課題の多さに戸惑う時もあるかもしれませんが、仲間と一緒に成長していきましょう!
専門:健康・栄養教育
山形県出身。2023年10月より現職。大学時代に栄養教育の授業を受け栄養士になることを決意。ピアサポートチームの立ち上げにも関わる。卒業後、栄養士・管理栄養士として医療・福祉・産業領域で栄養教育に従事。その後予てからの目標だった大学教員をめざし大学院へ。ここで社会学の立場から見た食行動に興味を持ち、現在は「食品マーケティング」をキーワードに健康・栄養教育の視点から研究している。