もし、あなたが担当するクラスの半数が「外国の背景を持つ子」だったら…あなたはどうしますか?幼稚園や保育園に通う幼児は、肌や髪色など外見の違いに気づき、言葉の違いを認識し、共に過ごす中で食事の仕方や考え方の違いにも気づいていくでしょう。どのようにお互いの違いに気づき、どのようにそれを意味づけていくのか、実際に子どもたちを観察しその様子を研究しています。日本では時として、人との違いをマイナスに受け止めることもあります。なぜマイナスになってしまうのか、そして互いの違いを尊重できるようにするためにはどうしたらよいのか。今後、日本で暮らす外国の背景を持つ子どもたちがますます増えていくでしょう。そういった時代にどのような保育・教育が求められるのかを探っています。
佐藤先生は「自分たちで考える」ことを大切にした授業を行っている。例えば、様々な事例についてみんなでディスカッションをしたり、実際に英語だけで行われる授業を受けてみて「言葉がわからない!」という体験をしたり。そのような体験を通して、自分とは異なる価値観があることに気づいたり、相手の立場にたった保育・教育とは何かを具体的に考えたりできるようになるという。ゼミでは、外国の遊びやロールプレイを通して、楽しみながら互いの良さに気づき仲良くなっていく過程を、自分たちが実感し味わいながら「世界」について学ぶ。
グローバル化が進み、日本以外の国にルーツを持つ子どもたちがクラスにいることも。日本語が話せない子どもへの配慮は?複数の言語を子どもはどう身につけるのか?時代の変化を見据え、視野を広げていきましょう。
専門/幼児教育 異文化間教育
略歴/東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科 博士課程修了。アメリカ留学中にカリフォルニアの幼稚園・小学校でのボランティア経験を通して異文化間教育に関心を持つ。
著書/『異文化間教育学体系3 異文化間教育のとらえ直し』(明石書店/2016年)、『多文化保育・教育論』(みらい/2014年)、『多文化社会の偏見・差別―形成のメカニズムと低減のための教育―』(明石書店/2012年)他