
海・川・山がある石巻は、生物と環境について「見て・触れて・感じる」学びの実践に最適な場所です。私は、この恵まれた地の利を活かし、野生動物の暮らしや生態学的機能の解明に取り組んでいます。特に力を入れているテーマは、石巻市内で発生する野生動物の交通事故の問題解決です。交通事故は「いつ」・「なぜ」発生するのか、事故を減らすにはどのような対策が必要なのか、学生たちと考えながら調査を進めています。もう一つは、牡鹿半島沖の離島・金華山島の野生ニホンザルの調査です。人付けされたサル(野生のサルが、人間の存在に慣れ、近づいても逃げたり敵対したりしない状態)を間近で観察しながら、森林の中でサルたちが果たしている機能について調査を進めています。

石巻周辺の金華山などで野生動物を間近に観察し、その行動や自然環境とのつながりを調査しています
辻先生の研究室では、基本的な方針の決定後は、調査日程の調整・分析作業などを学生の自主性に任せています。先生は、調査や分析の過程で疑問を持ち、相談してきた学生に対してはアドバイスしますが、基本的には手を出さずに見守る、という姿勢で指導します。これは、「自分で考え、主体的に行動する力」を学生に身に付けてもらうためです。辻先生の研究室は地域の人々と協同で作業を行う機会が多いので、調査を通じてコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が鍛えられます。この経験は、社会に出てからもきっと役立つはずです。

学生が自ら計画した調査や分析に取り組むことで、社会で役立つ「主体性」と「伝える力」を育みます
大学は専門知識を得るだけの場ではありません。地域の方との交流を通して、コミュニケーション力や「伝える力」を身につけてください。ここでの経験全てが、将来の糧になります。

豊かな自然の中で、学生たちを温かく見守り、時には厳しく指導する辻先生
専門分野:動物生態学
理工学部生物科学科に所属。国内外で、野生動物の行動や生態学的機能の解明に取り組んでいる。学生時代からのフィールドである金華山島では、個体識別されたサルの長期的な観察データなどを基に、動物と植物の相互関係や生態系のつながりについて研究をしている。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



