
地球温暖化を含む気候変動は人為的な要因で引き起こされており、地球上のすべての生命にとって差し迫った脅威となっています。海洋に生息する植物プランクトンは光合成を通じて二酸化炭素を吸収し、大気中の酸素の最大50%を供給しています。しかし、地球温暖化は生態系のバランスや植物プランクトンの活動に影響を及ぼしており、将来的に不測の事態をもたらす恐れがあります。私の研究室では、世界各地の海洋で行う現地観測測定や、ドローンや人工衛星によるリモートセンシング技術で得た観測データを、AIを活用して解析します。とくに食物連鎖の起点となる植物プランクトンを観測することで、生態系の状態や長期的な環境変動を把握することが可能となります。この研究は、海洋環境の保全さらには地球温暖化を防ぐ取組みにも繋がっています。

ブルーカーボン(海草)生態系のマッピング調査を実施。海洋プラスチック問題に関する研究もしています。
地球環境と生態系について考える桑原先生の授業では、講義、実験・実習、ゼミなどの一連の学びを通じて、海洋科学や海洋リテラシーを学習するだけでなく、地球を構成する地圏・水圏・大気圏・雪氷圏・生物圏が、どのように相互に関係しているのかを総合的に理解します。授業やゼミでは実際にフィールドに出て、環境の基本的なパラメータを測定し、五感を使って自然を体感。その後、研究室に戻って取得したデータを解析し、グラフとして可視化します。「データを図として表現することは、学びを深めるうえでとても重要です」と桑原先生。

神奈川県真鶴沖にて海洋環境観測を月1回実施。現在まで35年以上ものデータが蓄積されています。
心から夢中になれるものが見つかったなら、どんなに苦しいときもあきらめずに続けてください。「穏やかな海では、優れた船乗りは育たない」という古い格言があります。困難は、あなたを成長させる力になるでしょう。

ルイビル大学ではグラフィックデザインを専攻。現在もアートやデザインの分野に造詣が深い桑原先生。
専門科目:地球科学、地球の生態系、気候変動の技術、生物海洋学入門 など
略歴:1993年米国ルイビル大学教養学部卒業、2000年創価大学大学院工学研究科生物工学専攻修了。ハワイ大学マノア校海洋・地球科学技術学部(SOEST)客員研究員、モントレー湾水族館研究所(MBARI)およびカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)博士研究員を経て、現在は創価大学教育学部および大学院理工学研究科教授。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



