臨床検査部で検体検査の中の生化学検査を担当しています。たとえば、血液中の成分を検査することで、感染症や炎症の有無や、栄養状態などを把握でき、肝臓や腎臓、すい臓などの臓器に異常がないか診断につなげることができます。時には、検査によって命が危ぶまれるほど危険な状態にあることを示す「パニック値」が出ることも。その場合すぐに担当医師に連絡し、外来の患者さまを緊急入院させるなど必要な処置をとります。こうして検査の結果、治療や次の検査につなげることができたとき、大きなやりがいを感じます。診察ではよく分からなかった患者さまの状態を的確に把握することに貢献できるのが、臨床検査技師の仕事の魅力です。
母が看護師で姉も看護師になったので、医療系の仕事に関心がありました。「自分は臨床検査技師が向いているのでは」と思ったのは、化学や生物が好きな上に緻密な作業が得意だったからです。実は進路先として語学学校も考えていました。K-POPが好きで韓国語を学びたかったのです。しかし、母に「好きなことは変わるかもしれないから、得意なことを選んだ方がいいよ」とアドバイスされ、迷いが消えました。患者さまが適切な治療やケアを受けるには、まず検査することが重要だと知り、臨床検査技師になって医療の始まりの部分に携わりたいと思ったのも理由です。国家資格を取れば、女性でもキャリアを積み重ねやすいという思いもありました。
湘央学園で身についたのは、学習の習慣です。授業ごとに小テストが行われるため、自然と毎日復習するようになりました。それにより小テストに落ち着いて臨め、知識の確認ができたのが良かったですね。苦手科目についても先生がオリジナル問題を作ってくださったおかげで、みんなで解いて答え合わせをし、理解を深めることができました。また、グループで実習に取り組んだことも役立っています。役割を分担し時間内に終わるように協力して進めたことで、周りに目を配る姿勢が身につきました。今の職場でも何でも気づいた人が周りに声をかけ、フォローして業務を進めています。すんなり馴染めたのは、湘央時代の実習経験があったからです。
済生会横浜市東部病院 臨床検査部/臨床検査技術学科/2022年卒/現在は検体検査を担当しているが、将来は心電図や脳波、超音波検査などを行う生理機能検査も担当したいという井関さん。「湘央学園では超音波検査の同好会に入って、スキルを磨きました。患者さんに負担をかけずに、身体の状態を詳しく検査できるのが超音波検査の魅力です」。「超音波検査士」の資格も取って、専門性を高められたらと考えている。進路選択で迷った韓国語の勉強は趣味で続けているそう。「韓国旅行に出かけ、勉強の成果を少し試すことができました」。