映画やドラマに出演する俳優やエキストラの衣装やアクセサリー、靴、バッグなどをトータルでスタイリングする仕事をしています。ファッションセンスは必要ですが、それ以上に、映画やドラマの世界観をくみとり、役柄の性格やそれを演じる俳優の個性を考えあわせ、監督が求めるものをいかに表現するかが重要になります。何パターンかのスタイリングを用意し、フィッティングしながら監督やスタッフと相談して物語の中のキャラクターをつくりあげていく過程がこの仕事の醍醐味。知り合いや地元の友人・親戚などに「見たよ」とか「かっこよかった」と言ってもらえると嬉しいですし、やりがいも感じます。
衣装会社の社員だったときは仕事範囲は洋服と靴下までで、靴やバッグなどは別の会社の人が担当していたのですが、フリーランスになってからはすべてトータルで任せてもらえるようになりました。最近では、半端ない人数が登場する映画の仕事が印象に残っています。普通なら4~5人のチームでこなす量を、アシスタントと2人でやりきったのです。とんでもなく大変でしたが、この業界も労働環境の改善が進み、プライベートな時間も確保できるようになって以前に比べればかなり働きやすくなったと思います。また、フリーランスになれば頑張った分だけ収入につながります。売れっ子は1億円くらい稼いでいるのかな。夢がありますよね!
フリーランスのスタイリストもいろんなタイプの人がいて、自分からガンガン営業する人もいますが、僕は独立してまだ2年ですし、今のところは手探りで頑張っている感じです。ただ、昔からたくさん稼ぎたいという気持ちはあったので、近いうちに事業を立ち上げたいと思っています。そして、スタイリストやアシスタントをたくさん育てていく仕事もしたいです。ファッション業界の中でもスタイリストをめざす人は特に、ファッション誌やブランドについて幅広くリサーチをしたり、求められているものを読み取るコミュニケーション力が必要なので、そんなスタイリストならではのノウハウを若い人に教えたいと思います。
フリーランスのファッションスタイリスト/ファッション流通科スタイリストコース(2021年4月スタイリストプランに名称変更) 卒/2013年卒/小学生のころから服にはこだわりがあったという大友さん。中学生時代にファッション雑誌を通してスタイリストという仕事を知り、高校1年生でスタイリストになることを決意。名古屋ファッション専門学校に在学中は学生生活を謳歌するかたわら、ショップの販売員をはじめとするさまざまなアルバイトを経験した。2013年に卒業すると東京衣裳に就職。2021年にフリーランスのスタイリストとして独立。多くの主演ドラマがある著名な俳優の専属スタイリストを務めるほか、話題の映画やドラマの衣装を手掛けている。