今の会社に入社して3年目、主に家の間取りや外観などの設計を担当しています。自分が考えた図面をお客さまに気に入っていただいて、それを基に「家」が建てられる。完成した家を前にしたときに何よりのやりがいを感じます。最近、私が設計した家が完成し、実際に見に行く機会がありました。「家」は人が一番長く過ごす場所です。お客さまがこれから長く暮らすその場所を私が設計したのだと思うと、とても感慨深く、感動しました。また私が設計した家は地図上に残ります。「地図に残る仕事をしたい」という高校生のときに抱いた夢が叶えられた瞬間でもあり、将来の仕事への大きなモチベーションにもなりました。
最初の2年で建築の基礎を学び2級建築士の受験資格を取得したあと、希望者は3年目研究科に進級、試験に向けた勉強を重ねます。私はそれほど勉強が得意ではありませんでしたが、3年目は目標達成に向けて死に物狂いで頑張りました。自分だけでなく同じ目標をもった同級生と連帯感を持ち、切磋琢磨できたことも大きな力になりました。その結果、全員が学科試験に合格という結果を出すこともできました。また、授業以外の時間にも質問や相談に答えてくれるなど、親身になって指導、応援してくださった校長先生を始めとする先生方の存在も支えになりました。互いに高め合える仲間と成長できた貴重な時間でした。
建築は、営業が契約して、建築士が図面を引いて、施工業者に引き渡して……と、一人で成し遂げられる仕事ではありません。チームとして連帯ができていないと「家」は完成できないので、知識はもちろん、人付き合いなどのコミュニケーション能力がとても重要になります。また「家」を立てるには数千万円という費用がかかりますから、失敗することは許されません。それでも実際に完成した「家」を前にすると、何事にも変え難い達成感を味わえる、かけがえのない仕事だと思います。つい最近まで、今の会社には私の実家を建てた設計者がいましたし、私のような年齢からベテランまで幅広い年齢の人たちと関われるのも魅力ですね。
株式会社 棟匠/建築インテリアデザイン科 2019年卒/建築設計研究科2020年卒/卒業後、茨城県の地元に根ざした「株式会社 棟匠」に入社、2級建築士として、家の外観や間取りなどの設計を担っている。実は棟匠は今から20年ほど前に渡邊の実家を設計した会社でもある。生まれ育った大好きな茨城の地図に自分の建てた家を残したいという夢に向かって、健闘する毎日だ。