学べば学ぶほど、もっと知りたくなるのが栄養の分野。北海道大学大学院薬学研究院に在籍していたときにアロニアと出会い、その可能性に魅了され、いまも研究を続けています。ポリフェノールの含有量がブルーベリーの数倍ともいわれるアロニアは、血圧や血糖値の上昇を抑制し、血中の脂質を下げるなど、さまざまな効果が期待されていますが、なぜ効くのかがわかっていません。アロニアの成分を分析し、何がどこに効くのかを調べるとともに、どうすればおいしく食べることができるのか調理方法を模索しています。また、大学院修士課程で学校教育学を学んできた私にとって、栄養教諭の養成ももう一つの研究テーマです。教職課程では、なぜ栄養教諭が必要なのかを理解させることで、動機づけと目標を明確にし、教職を目指す学生をサポートしています。
管理栄養士として働くためには、知識とともに確かな技術も必要です。栄養学校を前身に持つ北海道文教大学には、約80年にわたって受け継がれてきた伝統の調理技術があり、健康栄養学科の学生はそれを習得して卒業します。「実際に厨房に立ち、設備の種類や調理員さんたちの動きを知ることが献立作りの基本」と話す小塚先生は、資格取得に向けたサポートだけでなく、実践を見据えた指導にも力を入れています。4年次の栄養教育演習では、学生一人ひとりが管理栄養士の立場になってロールプレイングを行い、即戦力としての意識を養います。
管理栄養士は、「食のプロ」です。医療機関だけでなく、企業、薬局、さらにはスポーツの分野まで、活躍の場は幅広く、高齢化が進み、健康に注目が集まる今、これからもいろいろなところで求められる職業です。
専門分野:食品機能学、栄養教育
天使大学看護栄養学部栄養学科卒業後、北海道文教大学人間科学部健康栄養学科に助手として勤務したのち、北海道大学大学院薬学研究院生体情報科学にて果実の食品機能性に関する研究に取り組み、2015年4月より現職。同年、北海道教育大学大学院教育学研究科修士課程修了(教育学修士)。趣味は旅行、ドライブ、食べ歩き。思い立ったら車を運転して釧路名物「勝手丼」を食べに行ったことも。