
作業療法士・理学療法士としてリハビリを行うためには、人体の仕組みを正しく理解することが欠かせません。そのため、授業では骨・筋肉・臓器などの名称や位置といった基礎から、疾患の症状とリハビリ方法まで幅広く扱っています。特に、3年生では「中枢疾患に対する作業療法」を重点的に学習。脳梗塞や脳出血、パーキンソン病などによる身体の麻痺に対して、現場で求められる知識や評価方法を学び、働き始めてすぐに活かせる内容になっています。授業で大切にしていることは、「その場で理解できる授業」。骨模型を触ったり、動画で動きを見たり、グループで意見を交わしたり、“実際に体験しながら学ぶ”ことを重視。実際の臨床現場で撮影した動画や過去の国家試験問題を活用しながら、理論と実践の両面から学びを深める授業を工夫しています。

入浴動作シミュレーションシステムを使って、実際の場面を想定した日常生活トレーニング
授業は、「運動・解剖・生理」を体系的に学ぶ“系統学”スタイル。通常は別々の科目で学ぶ内容を関連づけながら同時に取り上げるため、理解が深まりやすいのが特徴です。説明で終わらせず、小項目ごとにグループディスカッションの時間を設け、分からない点をその場で確認。「実際に説明してみる」というアウトプットを重視し、理解を定着させる工夫をしています。また、骨模型や動画教材を用いて身体の動きを視覚的に理解できるよう配慮。スライドと教科書を併用し、「なぜそうなるのか」まで深く理解できる授業づくりを心がけています。

分からない箇所は、グループ間や教員に質問し、講義時間に理解が深まるように取り組んでいます
授業は活発で和やかな雰囲気に包まれており、学生たちはグループ学習に積極的です。仲間同士で支え合いながら学ぶ姿勢が、国家試験に向けた確かな力につながっています。質問しやすい環境づくりを大切にしているからこそ、グループ内での意見交換やクラス全体での発言も活発。1年生の頃は遠慮がちだった学生も、学びを重ねるうちに自信を持って意見を言えるように成長しています。理解が深まったときに生まれる「なるほど!」という声は、4年生で迎える国家試験への大きな一歩となり、作業療法士としての確かな成長を実感させています。

目線や指の使い方、腕の動き、表情、体のバランスなどを上肢機能検査で観察
作業療法は、その人の生活や好きなことを大切にし、必要なリハビリを提案する仕事。だからこそ、ゲームや料理など自分の得意が誰かの力になる瞬間があります。好奇心を持ち、探求を楽しめる人にぴったりの分野です。

リハビリの内容を考える創造性や独創性も作業療法の魅力です
授業を担当するのは、石田恭涼先生。九州保健福祉大学作業療法学科を卒業後、福岡県内の桜十字病院で回復期病棟の中枢疾患のリハビリを担当。5年間の臨床経験の中で生活機能評価に携わり、働きながら大学院へ進学してFIM(機能的自立度評価法)を用いた自宅復帰の研究を行う。現在は作業療法学科の教員として、基礎から中枢作業療法まで指導し、臨床と研究の経験を生かした「実践につながる学び」を大切にしている。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。

