和菓子屋の家に生まれましたが、洋菓子の世界に魅せられ、気がつけば30年以上。まずはこの世界の魅力を伝えたいですね。どんなに世の中が変わっても、食べることの喜びは変わらない。自分自身はもちろん、万人がおいしいと思うものを提供する。終わりなき目標ですが、リピートのお客様がついてくださる時は格別のやりがいを感じられる仕事です。
ホテルや専門店など様々な現場で感じていたのは、若手が思ったより現場を知らずギャップを感じていること。せっかく志を持って社会に出てきたのに、最初からつまずいてしまうのはもったいない。現場に出てからのギャップを少しでも減らせるよう、失敗談も含めて伝えています。
世の中は絶え間なく「おいしいもの」を探しています。流行を捉えつつ信念を曲げずに進んでいけば、一生、食べていける仕事です。
自らの多彩な現場経験を、学生たちに余すところなく伝える西山先生。すべての土台となる製菓技術はもちろん、「+αの能力」の育成も大切にしている。「ホテルに勤めるのであればイベント提案力、専門店であればお客様の要望に応えるアドリブ力、オーナーとして開業するのであれば年間通して安定的に経営する手腕が必要。現場によって、求められる+αの能力が少しずつ違います」。学生たちの卒業後の進路は様々。先生の体験談がふんだんに盛り込まれた授業は、現場の雰囲気を先取りする実践的な内容だ。
お菓子が好きだという気持ちがあるならば、まずは動いてみてはどうかと思います。好きなことをやらずにいたら、きっと後悔してしまう。同じ土俵にあがってくれれば、私たちが一生懸命育てます。待っていますよ。
専門:フランス菓子
京都の老舗和菓子屋に生まれる。高校を卒業後、製菓の世界へ。大阪全日空ホテルからキャリアをスタートし、その後オーナーとして洋菓子店の経営、ホテルグランヴィア京都や東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ、ハイアット リージェンシー 京都の立ち上げ、銀座の洋菓子専門店でシェフパティシエとして活躍するなど、多方面で経験を積み、現職に。「どんな現場からも求められる人材」の育成に力を注いでいる。