
プロの調理師を目指して勉強をはじめた学生の多くは、つい技術の習得に目を向けがちです。しかし、“この下処理は何のために必要なのか”“火加減の調節によって味はどう変化するのか”などの「理由・理屈」を深く理解しておくことは、現場において臨機応変な対応が求められる場面で大きな意味を持ってきます。私自身、YAMANOTE卒業後に就職したホテルの厨房で、「あの時、先生が言っていたのはこういうことだったのか」と気づくことが多くありました。その経験を交えながら後輩たちに料理の奥深さや上達のコツなどを少しでも伝えたいと、現在は実習助手を務めています。西洋料理は複数のスタッフが心を合わせて一皿の上に料理という作品を生み出す、難しくもやりがいのある世界。その魅力を学生たちに知ってもらいたいとも考えています。

カットの仕方の違いにも、それぞれに理由があるということを理解した上で、その技術を習得する必要がある
竹内先生の役割は食材の管理やレシピの板書、デモンストレーションの補助など多岐にわたる。実習時間中は班ごとの進捗状況を見渡しながら、困っている学生や作業が遅れている班には具体的な解決法をアドバイス。また、日頃から「時間管理・掃除・挨拶」の大切さを浸透させるようにも心掛けている。現場経験のない学生には実感が湧かないことでも“歳の近いお姉さん”が経験を踏まえて伝えることでリアル感が増すという。その上で、「料理に対する愛情と自分への自信を持ってほしい」と願いつつ後輩たちをサポートしている。

調理実習が効率よく進められるように食材の確認や仕込み(肉の下ごしらえやスープづくりなど)も行っている
プロの調理師として現場に立つためには幅広い知識や技術とともに「食べる人」を思い描きながら調理する姿勢も大切だと思います。「誰のためにつくるのか」を考え、お客さまを思いやれる調理師になってください。
専門分野:西洋料理
吹奏楽部(中学)、オーケストラ部(高校)でバリトンサックスを担当していたという竹内先生。その経験から「人を喜ばせられる仕事」に就きたいと思い調理師になることを決意。その頃からホテルへの就職を志望していたため、和・洋・中・製菓を満遍なく学べるYAMANOTEのWライセンスシステムに入学。卒業後、リゾートホテルの宴会調理部門に勤務し、2025年9月から母校で実習助手を務めている。
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