「半沢直樹」「ダンダリン」…ドラマで探る公務員のおシゴト

高校生が就きたい職業のナンバー1は「公務員」だ(※)。人気の理由として目立つのは「安定しているから」。不安定な世の中で確かに「安定」は魅力だろうが、それだけで仕事を選ぶのはちょっと寂しい気もする。

 

では、「安定」以外の公務員仕事の魅力とは、何だろうか? 話題となったドラマや映画から探ってみよう。

 
 
■ドラマ「半沢直樹
…脱税を逃さない国税局/銀行や保険会社を検査・監視する金融庁

 

「倍返しだ!」で話題を呼んだ昨シーズンの人気ドラマだが、オネエ言葉の「黒崎」が公務員だ。片岡愛之助さんが扮する黒崎は、前編では出向していた大阪国税局の査察部統括官、後編では金融庁に戻って検査局主任検査官として登場している。

 

大阪国税局での黒崎は、半沢と競ってある企業の脱税調査を指揮していた。国税局査察部は「マルサ」とも呼ばれ、税務署では取り扱えないような大口・悪質な脱税者に対し、強制調査を行うことができる。その様子は、これまで映画「マルサの女」やドラマ「ナサケの女」などでも描かれている。

 

また、金融庁での黒崎は、半沢の銀行に対する金融庁検査を指揮していた。金融庁は金融制度の企画、立案、法案の作成とともに、銀行や保険会社などの金融機関の経営実態をチェックしたり、健全な経営を行っているかを監督したりする役割も担っている。

 

黒崎は半沢の敵役として腹黒く描かれているが、それはあくまでドラマの人物設定。ごまかしによって税収が減ったり、金融機関の経営が悪化してしまったら、私たちの暮らしにも影響する。国民生活の安定を支える大事な仕事なのだ。

 
 
■ドラマ「ダンダリン
…働く人を守る労働基準監督署

 

過酷な労働を強いるブラック企業が問題になる昨今。そんな悪質な企業に立ち向かう労働基準監督官・段田凛(役:竹内結子さん)を主人公としたドラマが現在放送中だ。

 

労働基準監督官は、企業に労働に関する法規を守らせ、労働条件の向上を図っていくことが任務。私たちが安心して働ける環境を支えている。ドラマでは、働く人を守るためにまっすぐなダンダリンの行動に、お役所らしく淡々と仕事をしてきた周囲も徐々に変化。公務員の働き方についても考えさせられる。

 
 
■映画「プリンセス・トヨトミ
…国のお金の使われ方をチェックする会計検査院

 

大阪に豊臣家滅亡以来の地下組織「大阪国」があるという設定の物語。東京から訪れた会計検査院の調査官3人が実地検査を行うなかでその秘密に迫り、大阪国の不正を暴こうとする。

 

会計検査院の仕事は、国の収入・支出の決算、政府関係機関・独立行政法人などの会計、国が補助金等の財政援助を与えているものの会計などの検査を行うこと。私たちの税金などによる国のお金が正しく、ムダなく有効に使われているかどうかをチェックしてくれているのだ。

 

 

このほかにも、国税局特別国税調査官の主人公(役:井上真央さん)が悩みながら成長するドラマ「トッカン」、K県庁のキャリア官僚(役:織田裕二さん)の活躍を描いた映画「県庁の星」など、公務員が登場するドラマ・映画は多い。

 

これらに描かれているのは、自分の生活のためではなく、市民のためを考えている公務員が多い。困っている人の助けになったり、人々が安心して暮らせるために働くこと。それが公務員の仕事の醍醐味ではないだろうか。さて、公務員志望のあなたは、将来どんな公務員になりたい?

 

※(社)全国高等学校PTA連合会・株式会社リクルートマーケティングパートナーズ リクルート進学総研「第5回 高校生と保護者の進路に関する意識調査2011」より

 

 
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