フライトドクター・フライトナースになるには?仕事内容、収入、働き方のリアルを解説

ドクターヘリに乗っていち早く患者のもとへ駆けつけ、救急医療を行うフライトドクター(医師)、フライトナース(看護師)。テレビや映画などで目にして、興味をもった人も多いだろう。

そこで、現役で活躍中のフライトドクターに仕事内容や働き方、なり方など、詳しく教えてもらった。ベテランのフライトナースからも話を聞いたので、目指したい人はぜひ、参考にしてほしい。

目次

合格した先輩の志望理由書
<お話をしてくれた人>

日本医科大学千葉北総病院
救命救急センター部長
原義明先生


医師歴約35年のベテラン救急医。救急のほか、専門(サブスペシャリティ)は整形外科。
日本医科大学千葉北総病院でドクターヘリの運用を開始した2001年からフライトドクターの業務に携わる。現在、同病院のヘリの出動回数は年間約1200件と、日本でもトップクラス。そうしたなか、蓄積された専門技術と知見を後進に伝えるべく、指導に力を注ぎながらも、現役のフライトドクターとしてヘリに搭乗。
『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』をはじめ、医療をテーマにしたテレビドラマの医療監修も多数、手がけている。

フライトドクターとは?

フライトドクターとは、救急医療専用の装備を備えたヘリコプター「ドクターヘリ」に乗って救急現場へ向かい、患者に初期診療を行う医師。必要な処置を行ったのち、患者をドクターヘリに乗せ、適切な医療機関に迅速に搬送する。

ドクターヘリとは?

ドクターヘリとは、救急医療専用のヘリコプター。時速約200kmのスピードで飛行し、生命の危険が切迫している重症患者のもとへ、医師(フライトドクター)と看護師(フライトナース)を送り込む。

ヘリの中には医療機器や医薬品が準備され、機体はドクターヘリ基地病院のヘリポートに待機している。出動の要請があると、フライトドクターとフライトナースが乗り込み、救急現場に向かう。現場に着陸したらすぐさま患者に初期診療を行ってヘリに乗せ、適切な医療機関に搬送する。

ドクターヘリとは?
※ドクターヘリ基地病院のヘリポートで出動待機中(日本医科大学千葉北総病院にて、スタサプ編集部撮影)

ドクターヘリを用いるメリット

ドクターヘリを用いるメリットは、1分1秒を争う救命救急現場へ医師と看護師を送り込み、いち早く診療ができること。患者の生命が助かる可能性が高くなり、その後の回復の具合も違ってくる。

「例えば、事故による外傷で大量に出血している、肝臓が破裂している、脳出血を発症して倒れているといったような状況の場合、発生してから60分が重要とされています。その60分の間に適切な治療ができるかどうかが生きるか死ぬかにかかわってきます。そうしたときに私たち医療者がドクターヘリで現場へ急行し、病院に搬送する前に患者さんを診ることができる…ここにドクターヘリが出動する意義があるのです。

また、医師が救急現場に行くことで、患者さんの状態に合わせてすぐに治療できる病院を選んで搬送できることもメリットです。医師は、患者さんを乗せたヘリの中で、搬送先の病院と無線で連絡をとり、『手術の準備をしてください』といった指示をすることもできます。とすると、病院に搬送後に即、手術ができるので、発生してから60分以内には本格的な治療を開始することが可能になります。その結果、患者さんの生命を救うことができ、後遺症を軽減できるので、社会復帰できる可能性も高くなるのです」(原先生)

ドクターヘリが行った場所に、救急車で行った場合と比べてみると、救命率は約3割向上するという調査結果も出ている(※)。

(※)出典:「ドクターヘリ導入の効果」 「特定非営利活動法人(NPO)救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)」HPより
☆ドクターヘリはいつから飛んでいる?

世界で初めてドクターヘリを運航させたのはスイスで、1952年のこと。山岳遭難者の救護と病院へ搬送する手段として創設された。その後、1970年代からアメリカやドイツなどで導入が進み、救急医療のシステムとして普及していった。

日本で導入のきっかけになったのは、1995年に発生した阪神・淡路大震災。道路の寸断や建物の倒壊などにより救急車が出動できず、救助活動が進まなかった。この大震災を機に、「ドクターヘリが必要だ」という声が高まり、2001年4月に正式に運航がスタート。2024年2月現在、ドクターヘリは全国47都道府県に57機が配備されている。(※)

(※)出典:「ドクターヘリを知る~拠点」 「ドクターヘリを知る~歴史と実績」 特定非営利活動法人(NPO)救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)」HPより

ドクターヘリは一般の人も呼ぶことができるの?

救急車は一般の人からの119番通報を受けて出動するが、ドクターヘリは違う。119番を受けた消防本部、または現場に急行した救急車の乗員(救急隊員)が患者の状態を見て、「ドクターヘリが必要だ」と判断したときに、ヘリの出動要請をする。

フライトドクターの仕事内容

フライトドクターは具体的にどのような仕事をするのか、出動の流れに沿って、解説していこう。フライトドクターの業務のおおまかな流れは「ドクターヘリで救急現場へ出動」⇒「現場へ向かう機内で情報を収集し、準備」⇒「現場到着、初期診療をする」⇒「患者をドクターヘリに乗せて病院へ搬送」⇒「病院のヘリポートに到着、救命救急センターで治療」。

1)ドクターヘリで救急現場へ出動

消防本部からヘリ出動要請の連絡が入ると、フライトドクターは院内の運航管理室にいる運航管理担当者(CS:コミュニケーションスペシャリスト)と連絡を取り、ヘリ出動OKかどうかを確認する。CSは、現場までの天候、風向き、飛行領域を飛んでいる他の機体の有無、ヘリの着陸場所などをすばやく確認。

CSからヘリ出動OKが出ると、フライトドクターとフライトナースは病院敷地内のヘリポートへ向かい、ヘリに乗り込む。ヘリにはフライトドクター、フライトナースのほか、操縦士(パイロット)と、機体の点検・安全管理をする整備士も乗り込む(※)。(※)CS、操縦士、整備士は、ヘリコプターの運航会社が配備。

☆出動要請を受けてから3分~5分くらいでヘリポートから離陸する。

2)現場へ向かう機内で情報を収集し、準備

現場へ向かうドクターヘリの機内では、無線を使って患者の情報を収集。消防本部や、現場の救急隊員と連絡を取り合い、患者のケガや病気の状況、年齢・性別、脈・呼吸の状態、意識があるのかどうかなどを確認し、現場に到着したときの初期診療に備えて医療機器や薬などの準備をする。

「得られた情報をもとに、現場でどのような処置をするのか、フライトナースと話し合い、準備をします。また、患者さんの状態に対応できる病院へ迅速に搬送する必要があるため、どの病院に搬送するのか、考えます。当院へ連れて帰るケースが多いのですが、状況によりほかの病院に搬送する場合もあります。当院のドクターヘリが出動するエリアにある病院の情報は把握できているので、例えば、脳出血の患者さんなら脳外科分野の救急医療に長けている病院、心臓病を発症した患者さんなら心臓病の分野に強い病院など、適切な病院を選び、目星をつけておくのです」(原先生)

☆ヘリに乗っている時間は、目的地への距離にもよるが、15分程度から30分程度。早ければ5分程度の飛行で現場に到着する。

3)現場到着、初期診療をする

ドクターヘリが着陸する場所は学校のグラウンドや公園、公共の運動場などを使用した臨時ヘリポート。ランデブーポイントとも呼ばれ、ここで患者を乗せた救急車と合流する。

ランデブーポイントに着いたフライトドクターは、フライトナースと一緒に救急車の中へ。患者の状態に合わせて、すみやかに初期診療を行う。

「患者さんの救命率を上げるために、救急車内では15分以内で初期診療をすることが目標とされています。病院での診療とは異なり、使える医療機器も限られているなかで患者さんがどのような病状でどんな治療が必要なのかを瞬時に判断し、やるべき初期診療をやり、一刻も早く、病院へ搬送しなければなりません。

予想していた以上に患者さんの症状が重く、呼吸の状態が悪化しているケースもあります。そうした場合には、気道を確保するために気管挿管(気管内にチューブを挿入・留置する)をするなど、状況に応じて対応します」(原先生)

患者の病態がある程度つかめたら搬送先の病院を決め、無線で受け入れ依頼をする。

☆救急車内の初期診療にかける時間は、おおむね10分~15分程度。

フライトドクターの仕事内容
※フライトドクターとフライトナースは、現場に到着すると即、救急車へ。すぐさま患者の状況を確認し、初期診療にとりかかる(写真提供:日本医科大学千葉北総病院)

4)患者をドクターヘリに乗せて病院へ搬送

患者をストレッチャーに乗せ、ドクターヘリの中へ移動。ヘリは離陸し、搬送先の病院へ向かう。ヘリの機内は騒音も大きく、天候によっては揺れることもある。そのため、ヘリの中で診療を行うことは難しいが、患者の意識や呼吸の状態などの確認を続ける。場合によっては痛み止めの薬などを投与。また、無線を使って、搬送先の病院とやりとりをするのもフライトドクターの重要な仕事だ。

「患者さんに対して行った初期診療の内容や、患者さんの容態、ヘリの到着予定時刻などを、搬送先に伝えます。到着後、すみやかに治療を開始するために、私が『輸血の準備をしてください』『手術が必要なので、スタッフを集めてください』といった指示も出します」(原先生)
フライトドクターの仕事内容
※患者の状態を診ながらフライト。フライトドクターとフライトナースは、飛行中の機内ではヘルメットを装着する(写真提供:日本医科大学千葉北総病院)

5)病院のヘリポートに到着、救命救急センターで治療

搬送先の病院に着いたら患者をストレッチャーに乗せて院内へ移動。患者を引き継ぎ、対応する医師や看護師に申し送りをする。その後、搬送先病院では救急救命センターで緊急手術をしたり、集中治療室で治療を開始するなど、迅速に適切な処置を行う。

☆ヘリが出動してから現場で初期診療を行い、患者を病院に搬送するまでにかかる時間は、平均して約45分。現場までの飛行距離や患者の状態により、出動して10分程度で病院へ送り届けることができる場合もあれば、1時間くらいかかる場合もある。

フライトドクターの仕事内容
※搬送先の病院へ到着。患者を受け入れる救命救急センターではすぐに治療を始めるべく、緊迫した雰囲気に(写真提供:日本医科大学千葉北総病院)

フライトドクターの働き方

フライトドクターの多くは、勤務する病院の救命救急センターに所属(※)。通常は救急医として患者の診断・治療を行っており、ドクターヘリの当番日にはフライトドクターの業務を担う。ドクターヘリの飛ぶ時間帯は原則として朝8時30分から日没までと決められているので、ヘリ当番日の勤務は日勤のみとなっているが、救急医としての勤務は日勤のほかに当直(夕方から夜まで)、宿直(夜勤)がある。 (※)病院によっては、他の診療科の医師もドクターヘリに搭乗し、フライトドクターの業務を担当しているケースがある。

勤務時間や休日は?

勤務時間や休日などは病院によって異なる。原先生が勤務する日本医科大学千葉北総病院(以下、北総病院)の救命救急センターの場合、ドクターヘリ当番日は月に3~4日くらい。そのほか、救急医としての当直(夕方から夜まで)、宿直(夜勤)がそれぞれ月に平均して4~5回くらいある。休日は週に1日。病院の休診日は日曜・祝日だが、ドクターヘリは日曜・祝日に関係なく365日出動体制となっている。日曜・祝日にヘリ当番になっていれば出勤し、平日に代休をとっている。

ちなみに北総病院の救命救急センターでは、平日の夜間、ドクターヘリが出動しない時間帯は、救急専用車両のラピッドカーを運用している(23時まで)。医師、看護師が同乗して患者が倒れている現場にかけつけ、緊急の医療を行うというもの。

フライトドクターの働き方
※ある日の日本医科大学千葉北総病院のヘリポートの様子。通常配備しているドクターヘリは1機だが、検査に出すため、代替機がスタンバイ。2機のドクターヘリの間に置かれている車は、同病院のラピッドカーだ(写真協力:エアロトヨタ株式会社)

フライトドクターの1日

北総病院のフライトドクターの基本的な1日を紹介しよう。

◆8:00 出勤

ドクターヘリに乗り込むメンバーはフライトドクター2名、フライトナース1名、操縦士1名、整備士1名の計5名が基本。場合によってはフライトナースが2名になったり、病院に勤務する救急救命士1名も乗ることもある。

◆8:20 ブリーフィングや、医療資機材・医薬品の準備

ドクターヘリメンバーが運行管理室に集合。CSも参加してブリーフィング(事前確認・打ち合せ)を行う。ヘリが目的地まで速く、かつ安全に飛行できるよう、その日の天候や風向き、飛行が予定されている他の機体(自衛隊機や無人機など)、日没時刻などの情報を共有する。

「ヘリが飛ぶエリアでその日に実施予定のイベントについても、CSから伝達されます。例えば、お祭りがある、大学の入学試験が行われるといった情報です。ヘリの騒音の問題があるので、お祭りや大学入試などの会場上空を飛ぶのを避けたり、ヘリ着陸地を選ぶ際にも影響してきます」(原先生)

ブリーフィング後、医師と看護師がヘリの中へ。ヘリには医療用モニターや人工呼吸器などの医療資機材が装備されており、不具合がないかをチェック。無線機器も点検する。また、必要な医療器具や医薬品を入れた救急バッグを、ヘリの中へ運び入れる。

フライトドクターの働き方
※日本医科大学千葉北総病院のドクターヘリ(7人乗り)の機内の様子。写真右側の手前は、患者を搬送するストレッチャー。その上に置かれているのは、必要な医療器具類や医薬品を入れた救急バッグ。救急バッグは、小さいサイズの医療器具を入れた小児用もある(写真:スタサプ編集部撮影)

◆8:30~ ヘリ出動に備えて待機。要請があれば即、出動

◆16:00頃~ ドクターヘリ出動待機終了(待機終了時刻は季節により変動)、デブリーフィング

ドクターヘリの運航は原則、日没までと決められているので、日没時刻の30分前に待機終了となる。日没時刻は季節によって異なるので、待機終了時刻も変わる。例えば、昼の時間が長い夏至の時期だと19時頃が日没時刻なので、18時30分頃に待機終了となる。冬至の時期は16時30分頃が日没時刻なので、16時頃に待機終了。

待機終了時刻になり、メンバー全員でデブリーフィング。その日のヘリ出動を振り返り、問題点や課題があれば共有し、翌日以降の出動に向けて改善策を話し合う。

◆17:30 退勤

☆もっと知りたい! 素朴なギモン~Q&A

Q ドクターヘリに乗らないときは何をしていますか?
「医師は救命救急センターで、看護師は救急外来で通常業務をしています。ただし、負担の重い手術などの仕事は担当しません。ヘリの出動要請がきたらいつでもすぐにヘリポートへ走っていけるよう、ほかの医師をサポートするような業務にまわっています」(原先生)

Q ドクターヘリの出動は1日に何回くらい?
「1日に平均して3回くらい、出動します。これまでで多いときには1日に11回、出動しました。北総病院ドクターヘリの場合、出動範囲は半径50km圏内で、千葉県の北半分と茨城県南部のエリアまで飛んでいきます」(原先生)

Q ランチタイムや休憩時間は?
「フライトドクター、フライトナースは出動要請がかかれば、すぐに動かなければいけません。そのため、院内の職員食堂でゆっくりお昼ご飯を食べる…なんてことはできません。各自でお弁当を持参したり、コンビニでパンやおにぎりを買っておいて、タイミングをみはからって、医局でさくっと済ませています。休憩もスキマ時間にとっている感じです」(原先生)

フライトドクターになるには? 何年かかる? なるまでのステップ

フライトドクターの仕事は、ドクターヘリをもつ病院に勤務する救急医が担っているケースがほとんど。そのため、フライトドクターになるには救急医を目指す必要がある。救急医としてのスキルを高めながら、フライトドクターとして活動するための知識と技術を身につけていく。

フライトドクターは、病院内で診療を行うのではなく、ケガや急病で倒れた患者がいる現場へかけつけて診療を行う仕事。そうした特殊な一面があるので、高い専門性が求められ、フライトドクターとして活躍できるようになるまでには、大学の医学部入学から10年以上の期間がかかる。

それでは、高校を卒業してからフライトドクターになるまでのステップを紹介しよう。ストレートに目指す場合は、「大学の医学部・医科大学で学ぶ(6年間)」⇒「大学卒業。医師国家試験に合格して医師免許を取得」⇒「一般病院などで初期臨床研修を受ける(2年以上)」⇒「ドクターヘリをもつ病院へ就職」⇒「救急科専門医になるための専門研修を受ける(3年以上)」⇒「フライトドクターの教育プログラムを受ける」⇒「救急科専門医として認定。フライトドクターの業務も担当」という流れになる。特にフライトドクターという資格があるわけではなく、それぞれの病院で独自に教育プログラムを設けている。

STEP1 大学の医学部・医科大学で学ぶ(6年間)

フライトドクターになるには、医師免許の取得が必須。そのためには、大学の医学部または医科大学に進学し、6年間学ぶ必要がある。

STEP2 大学卒業。医師国家試験に合格して医師免許を取得

医師国家試験は、毎年2月に実施される。2025年の全体の合格率は92.3%(新卒の受験者の場合は95.0%)。

(※)出典:「第119回医師国家試験の合格発表について」(2025年3月・厚生労働省)

STEP3 一般病院などで初期臨床研修を受ける(2年以上)

医師免許取得後は、初期臨床研修(初期研修)と呼ばれる2年間の研修に取り組む。研修医として、患者の診療を行いながら診断や治療、手術などの基本を学ぶ。この時点では専門分野は決まっていないので、内科、外科、麻酔科など、さまざまな部門を回り、研修を行う。ドクターヘリをもつ病院の初期研修では、救命救急センターの研修の一環でドクターヘリに乗務できる場合もある。

「初期研修の時は、さまざまな診療科を回って幅広い分野の基礎をしっかりと身につけてください。

救命救急の現場でいろいろな傷病の重症患者さんの初期診療にあたり、患者さんの状態に応じて適切な診療科の医師に引き継ぐというのが、救急医の役割です。そのため、脳出血や心臓病、重度のケガ、急性の中毒症など、どんな状態の患者さんでも診ることができるよう、救急医は複数の分野にまたがる横断的な医療知識と技術が必要です」(原先生)

STEP4 ドクターヘリをもつ病院へ就職

初期研修後、ドクターヘリをもつ病院に就職。ドクターヘリは47都道府県・約60の病院にしか配置されていないので(2024年2月現在※)、病院HPで採用情報をチェックしておこう。
専攻医として就職し、専門研修を受けて救急科専門医を目指す。

(※)出典:「ドクターヘリを知る~拠点」「特定非営利活動法人(NPO)救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)」HPよりhttps://hemnet.jp/know-base

STEP5‐1 救急科専門医になるための専門研修を受ける(3年以上)

救急科専攻医として3年間の救急科専門研修を受け、救命救急医療の経験を積みながら知識を深め、技術を高めていく。日本救急医学会が行う試験に合格すると、救急科専門医の認定を受けることができる。

STEP5‐2 フライトドクターの教育プログラムを受ける

ドクターヘリをもつ病院では、独自にフライトドクターの教育プログラムを実施しているケースが多い。北総病院の救命救急センターの場合、救急科専門研修の中にフライトドクターの教育プログラムを組みこんでいる。プログラムのごく一部を紹介すると、例えば、次のような教育内容。

●ドクターヘリやフライトドクター業務に関する基礎を学ぶ
ドクターヘリの歴史や法規、機内に積み込む医薬品のルール、運航ルールなどを学ぶ。また、フライドドクターの実務に関し、消防本部や救急隊員とのコミュニケーションの取り方や、症例を教材にしたシミュレーション研修も行われる。

●外部の専門機関が主催する研修を受講し、知識と技術を深める
例えば、日本航空医療学会のドクターヘリ講習、JATEC(ジェイエーテック)やJPTEC(ジェイピーテック)を習得するためのためコースなどがある(※)。

(※)・JATEC:救急医療機関へ搬送された外傷患者に対し、「防ぎえた死」の発生を防止するべく、迅速に検査・治療を行うための診療ガイドライン。
・JPTEC:患者を現場から病院へ搬送するまでに行われる外傷初期診療。


●ドクターヘリに乗り、フライトドクターとして必要な実践スキルを学ぶ。
指導医と一緒にドクターヘリに乗り、現場経験を積む。患者への初期診療のほか、無線を使っての消防本部や救急隊員との連絡調整、同乗するフライトナースとの連携など、指導医に教わりながら訓練を受ける。見習いとして30回くらいの搭乗訓練をこなしたら、徐々にまかせてもらえる業務範囲が増えていき、自分の判断で処置や診療ができるようになっていく。100回くらい搭乗し、院内で実施する試験に合格すれば正式なフライトドクターとして活動できるようになる。

STEP6 救急科専門医として認定。フライトドクターの業務も担当

救急科専門医になり、フライトドクターの業務も担当できるようになる。

「フライトドクターの仕事は、わずかな時間でとっさの判断が必要な場面が多く、しかも毎回状況が異なっています。マニュアルでは対応できない、応用問題の連続みたいな仕事です。でも、どんな状況であっても、患者さんを助けるために私たちはやるべき診療をやるのです。常に適切な対応ができるよう、定期的に勉強会を開き、新人もベテランもシミュレーション訓練を受けています」(原先生)
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フライトドクターをサポートするフライトナースとは

フライトドクターと一緒にドクターヘリに乗り込む看護師が「フライトナース」。フライトドクターの診療の介助をしたり、患者やその家族のケアなど、さまざまな仕事をこなす。1分1秒を争う救急医療の現場で重要な役割を果たしている。そんなフライトナースの仕事やなり方などについても、詳しく解説しよう。

お話を聞いたのは、日本医科大学千葉北総病院(北総病院)・救急外来の主任看護師、二俣美鶴さん。二俣さんは、看護師歴は約30年。フライトナースとしても2000回以上の出動経験をもつベテラン看護師だ。

フライトナースの仕事内容

フライトナースは病院の救急外来や救命救急センターなどに所属していることが多い。普段は病院の所属科で通常業務に当たっているが、ドクターヘリ当番の日は出動要請に応じてフライトドクターと一緒にヘリに乗り込み、救急現場にかけつける。

フライトナースの主な仕事について、出動からの流れに沿って解説しよう。

ドクターヘリ出動~ヘリ内で情報収集と準備

出動要請を受けて即、ドクターヘリに乗り込む。ヘリの機内ではフライトドクターが無線を使って消防機関や現場の救急隊員と患者の状態についての情報を収集。得られた情報をもとに、フライトナースは現場での診療に必要な医療器材の準備をする。

「現場へ向かうヘリの中ではどんな診療をするのがいいのか、フライトドクターと話し合い、看護師としての意見も伝えます。医療器材も、ドクターの指示を待って用意するのではなくて、看護師から『これを準備しておきますね』などと提案をすることが多いです」(二俣さん)

救急現場に着陸~初期診療の介助や診療の記録、患者や家族へのケア

救急現場では患者の状況を確認し、フライトドクターの初期診療の介助を行う。

「フライトドクターが短く限られた時間で診療ができるように、その補助をするのがフライトナースの仕事です。現場の状況から『何を優先してやるべきか』『ドクターがやろうとしていることは何か』をすばやく判断し、常に先回りをして介助をすることが必要。また、ドクターが診療に集中できるよう、現場の救急隊員にもサポートをお願いしたり、連携を図るのもフライトナースの役割です」(二俣さん)

患者や家族へのケアも、フライトナースの重要な仕事。

「病院内での仕事もそうですが、患者さんやご家族を思いやることは、看護師として大切にしていることです。フライトナースの現場では、患者さんやご家族は突然の事故や病気で、いきなりドクターヘリで運ばれることになったという状況に直面し、パニックになってしまったり、動揺されています。そうした心理状態にあることを思いやりながら、現在の状態を説明したり、今後の治療のことなどを説明させていただいています。また、ドクターヘリは搭乗人数の制限などもあり、ご家族の方は同乗できないので、搬送先の病院までの交通アクセスなどもお伝えします」(二俣さん)

このほか、診療・看護の記録を取ったり、場合によっては患者の私物を預かるなど、フライトナースはさまざまな業務を担う。

ヘリで患者を病院へ搬送~ヘリ内でも看護を続ける

患者を病院へ搬送するヘリの機内でも、看護を続け、患者のケアを行う。

「ヘリの飛行中はエンジンの音がうるさくて患者さんと会話をするのは難しいので、エンジンがかかる前に、患者さんの意識がはっきりしているようでしたら、『おつらいことはないですか?』と患者さんに確認します。痛みがあるようならフライトドクターに指示を仰いで痛み止めの薬剤を投与したり、痛みが強くならないように体位を調整するといったことをします。また、『飛行中に気分が悪くなったら、手を動かして合図をしてくださいね』などと、患者さんにお伝えします。

飛行中は、フライトナースは患者さんの横に座り、すぐ近くで患者さんの状態をみています。患者さんにしてみれば、ヘリの狭い空間でストレッチャーで固定されている状況なので、恐怖心からじっとしていられなくなったり、突発的に動こうとしたりすることもあります。そんな時は、『大丈夫ですよ』と耳元でお声がけをしたり、患者さんのお体に軽く手をあててタッチングケアをするなど、安心していただくようにケアをします」(二俣さん)

搬送先の病院に到着~申し送り、ドクターヘリ診療・看護記録を整理

患者を乗せたドクターヘリが搬送先病院のヘリポートに到着。患者をストレッチャーに乗せて、病院の救命救急センターまで付き添う。

受け入れ先病院の担当看護師に、これまでの経過や救急現場で行った初期診療の内容などの申し送りをする。患者の私物を預かっている場合は、受け入れ先病院の担当看護師に渡し、管理を引き継いでもらう。

勤務する病院へ戻り、次のヘリ出動に備えて医療器材など物品の補充をする。出動要請が連続して入ることもあるが、合間をみはからってドクターヘリ診療・看護の記録を電子カルテに組み込む作業を行う。

フライトナースになるには

フライトナースは、一刻を争う救急現場のなか、看護師一人でさまざまな業務をこなさなければならない。即戦力の看護師が求められるため、一般病棟で看護師の経験を積んでからフライトナースとして任用されるというパターンが多い。

日本航空医療学会フライトナース委員会が定める選考基準

現在、フライトナースという資格はないが、日本航空医療学会フライトナース委員会ではフライトナースの選考基準(指標)を次のように定めている。

<フライトナース選定基準>

■看護師経験5年以上、救急看護経験3年以上、または同等の能力があることが望ましい。
■リーダーシップがとれる。
■ACLSプロバイダーおよびJPTECプロバイダー、もしくは同等の知識・技術をもっている。
※ACLS(エーシーエルエス)プロバイダー:医師の指示のもとで心肺蘇生法を行うことができる資格。
※JPTEC(ジェイピーテック)プロバイダー:患者を現場から病院へ搬送するまでの外傷初期診療を、医師の指示のもとで行うことができる資格。
■日本航空医療学会が主催するドクターヘリ講習会を受講している。

(※)出典:「ドクターヘリの安全な運用・運航のための基準」(厚生労働省)

この選考基準を指標に、それぞれの病院で独自にフライトナースとして登用するための基準を設け、養成教育を行っている。それではフライトナースになるためのステップを見ていこう。

STEP1 看護系の専門学校、短大、大学で学ぶ(3年~4年)

フライトナースになるには、看護師の国家資格を取得することが必須。そのためには、看護系の専門学校、短大(3年制)、看護系大学に進学し、しっかり学ぶ必要がある。

STEP2 看護系の専門学校・短大・大学を卒業。看護師国家試験に合格して看護師資格を取得

看護師国家試験は、毎年2月に実施される。2025年の全体の合格率は90.1%(新卒の受験者の場合は95.9%)。

(※)出典:「第114回看護師国家試験の合格発表」(2025年3月・厚生労働省)

STEP3 ドクターヘリをもつ病院へ就職

フライトナースになるには、ドクターヘリをもつ病院に就職することが必須。

STEP4 一般病棟に勤務して経験を積む(最短でも4~5年程度)

フライトナースは、救急外来など救急科に所属していることが多いが、就職してすぐに救急科に配属されることは少ないという。一般病棟で経験を積んでから救急科へ配属している病院が多い。

「私が勤務する北総病院の場合、まず、さまざまな病棟に4年~5年くらい勤務して幅広い基礎知識を身につけ、看護師としての土台を固めてから救急外来へ配属されます。私も就職して最初に配属されたのは、循環器科の一般病棟です。その後、整形外科の一般病棟勤務も経験し、救急外来へ配属されました」(二俣さん)

STEP5 救急科で救急看護の経験を積む(最短でも3~4年程度)

一般病棟の看護師を経験したあと、救急科へ。フライトナースの業務を行えるようになるには、救急看護の経験を積む必要がある。

STEP6 フライトナースになるための教育を受ける

救急科に配属され、3年~4年程度の経験を積んだ後、フライトナース業務を行えるようになるための教育を受ける。

北総病院のフライトナースの教育プログラムの一部を紹介しよう。例えば、次のような教育内容。

●ドクターヘリやフライトナース業務に関する基礎を学ぶ
院内で実施しているドクターヘリ講習会を受講。ドクターヘリの歴史や法規、機内に積み込む医薬品のルール、運航ルール、フライトナースとして必要なコミュニケーションなどを学ぶ。また、これまでの症例をもとにしたシミュレーション研修も受ける。

●外部の専門機関が主催する研修を受講し、フライトナースとしての知識と技術を深める
例えば、日本航空医療学会のドクターヘリ講習、ACLS(エーシーエルエス:心肺蘇生法)を行える資格を取得するための研修、JPTEC(ジェイピーテック:患者を病院へ搬送するまでの外傷初期診療)を行える資格を取得するための研修など。このほか、救命救急医療に関するさまざまな学会の研修を受講する。

●訓練生としてドクターヘリに乗り、実践的なスキルを学ぶ
先輩看護師と一緒にドクターヘリに乗り、救急現場での診療の流れを学ぶ。北総病院の場合、5日間の搭乗訓練で先輩からみっちり教わる。

STEP7 フライトナースとしてデビュー

「看護師として就職し、フライトナースになるまではトータルで10年近くかかります。フライトナースになってからも救急医療に関する知識や技術を高める努力は必要なので、院内の勉強会や学会の研修を受けています。でも、身につけた知識や技術、経験を積むことで得たことが、患者さんに対するより良いケアにつながっているという実感があります。過酷な現場もありますが、そうしたことを乗り越えながら成長していける…やりがいが大きい仕事です」(二俣さん)
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合格した先輩の志望理由書

フライトドクターに向いている人

ここからは、再びフライトドクターに焦点を当ててみよう。フライトドクターの仕事に求められる適性にはいろいろあるが、向いている人として「コミュニケーション能力がある人」「どんな状況でも冷静に、臨機応変に対応できる人」「リーダーシップがあり、現場を仕切れる人」「向上心をもって挑戦し続けられる人」の4つがある。

コミュニケーション能力がある人

救急現場にはさまざまな人がいる。ドクターヘリに一緒に乗ってきた整備士、操縦士、フライトナースはもちろん、救急車で患者を搬送してきた救急隊員、患者本人、さらに患者の家族や会社の同僚、友人がいる場合もある。これらの人たちとうまくコミュニケーションをとることができないと、診療をスムーズに進めることはできない。

「ヘリの中では、消防本部や搬送先の病院の関係者とも連絡をとります。フライトドクターは医療の技術だけではなく、コミュニケーション能力が必須です」(原先生)

どんな状況でも冷静に、臨機応変に対応できる人

一刻を争う場面でも、フライトドクターは冷静さを失わず、短い時間で「この方法が適切だ」と判断し、すみやかに初期診療を進めていくことが必要。そうした決断力があるだけではなく、状況に応じて臨機応変に対応できる人に適性がある。

「現場へ向かうヘリの中で診療方法を決めても、現場に着いて患者さんを診たら予想していた状況と全然違っている…ということも珍しくありません。そんな時もいったん決めた方法に固執せず、『ならば、この方法に変えよう』と、すぐに発想を転換できる柔軟さがあることが大切」(原先生)

リーダーシップがあり、現場を仕切れる人

救急現場には、事故などで複数の患者がいるときもある。そんな時は緊急度や重症度を見て診療の優先順位をつけたり、複数の患者を搬送するためにドクターヘリで行ったり来たりを繰り返す(※)、近隣のドクターヘリをもつ病院にも応援要請をする、患者の状態によってはドクターヘリと救急車に分けて病院へ搬送するなど、状況に合わせてすばやく決断することが必要。さらには現場を仕切るリーダーとして、フライトナースや救急隊員などに指示を出すのがフライトドクターの役割だ。
(※)通常、ドクターヘリには患者は一人しか乗せることはできない。

向上心をもって挑戦し続けられる人

「救急現場で患者さんの命と向き合うなかで、残念ながらうまくいかないこともあります。そうしたこともしっかり受け止めながら、気持ちを切り替えていくことが必要です。過酷な現場もありますが、さまざまな現場を経験し、多くの患者さんと関わるなかで得られる学びや気づきにやりがいを感じ、前向きに取り組める人が向いていると思います。たとえ厳しい場面があっても、向上心を持って挑戦し続けられる人が活躍できる仕事です」(原先生)
フライトドクターに向いている人
※ヘリの後方ドアの様子。ここからストレッチャーを搬入・搬出する(写真:スタサプ編集部撮影)

フライトドクターの年収は?

フライトドクターは病院の救命救急センターなどに勤務する救急医なので、救命救急で働く医師の年収を調べてみた。病院によって異なっているが、編集部の調査によると、救命救急科の医師の平均年収は約1500万円
ドクターヘリに乗るので、搭乗手当を支給している病院もある。
ちなみに医師全体の平均年収は、厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査』によると、約1338万円

フライトナースの年収は?

看護師全体の平均年収は、厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査』によると、約520万円となっている。フライトナースとして働くスキルがある場合、看護師の経験年数を積んでいて、ドクターヘリ搭乗手当などが支給されるので、平均よりも高い年収になっていると推定される。

フライトドクターの仕事のやりがいは?

フライトドクターの仕事にはいろいろなやりがいがある。「患者の命をつなぎとめることができたときの達成感」「患者からの感謝の言葉」の2つについて、原先生に詳しく語っていただいた。

患者の命をつなぎとめることができたときの達成感

「救急現場ではすばやく患者さんの容態を把握し、必要な初期診療をしなければ生命にかかわってきます。すべてがフライトドクターの判断で決まりますから、責任の重い仕事だと思います。それだけに、患者さんを救うことができたときの達成感は大きいです。ドクターヘリで、患者さんを当院に連れて帰ってくることが多いのですが、搬送してすぐに手術ができたことで患者さんが助かったと知ったときはとてもうれしいです。院内で患者さんが回復していく様子を目にするときもあって、『患者さんの命をつなぎとめることができた…』というやりがいを感じます」(原先生)

患者からの感謝の言葉

「患者さんから『ドクターヘリが来てくれたから、助かりました』と、たくさんのお手紙をいただくのですが、とてもうれしいです。ドクターヘリですばやく現場に行けたからこそ、患者さんを助けることができたという実感がわいてきます。

患者さんから直接、『ありがとうございます』と言われることもあります。現場で言われるときもありますが、病院に搬送して回復された時に感謝の言葉をかけていただくことがあります。『あのとき、お医者さんが来てくれて、ほっとしました。先生が光って見えました』などと言われたこともあります。患者さんにしてみれば、救急車の中でじっと医師が来るのを待っていたわけですから、『自分はどうなるんだろう…』と怖かったと思います。そんな患者さんに少しでも安心してもらうことができて、良かったなと思います」(原先生)
フライトドクターの仕事のやりがいは?
※ドクターヘリで搬送されてきた患者に緊急手術を行う場合もある(写真提供:日本医科大学千葉北総病院)

フライトドクターの仕事の将来性

ドクターヘリは、大規模災害の時にも活用されている。これまでも東日本大震災や熊本地震、能登半島地震といった大震災が発生した際、近隣地域のドクターヘリ基地病院からヘリが出動し、フライトドクターたちが被災地で救急医療活動を行った。今後、南海トラフ地震や首都直下地震などの巨大地震の発生が想定される日本では、フライトドクターの人材がますます必要とされている。

また、近くに大きな病院がない山間部や離島などへも、医師を迅速に派遣する手段として、ドクターヘリが求められているので、フライトドクターの活躍が期待されている。

フライトドクターの仕事に興味のある高校生の皆さんへ

フライトドクターに興味のある高校生に向けて、原先生からメッセージをもらった。

「私の場合、救急医を目指した理由は、電車の中などで突然、人が倒れたという状況に遭遇したとき、『自分はこの病気の専門じゃないから診られない…』というような医師にはなりたくないなと思ったからです。救急医は専門領域の壁を越えて、どんな状態の患者さんでも診ることができます。もしも私が高校生のころに戻り、進路選択をやり直せるとなったとしても、救急医になる道を選ぶと思います。

目の前にケガや病気で苦しんでいる人がいれば、どんな時でも診てあげられる医師であり続けたいです。そして、それをかなえる方法のなかにフライトドクターがあります。

フライトドクターになりたいという人は増えていると思います。その一方で、新人医師にフライトドクターの業務を教える指導医の人材はまだまだ足りていません。高校生の皆さんが将来、救急医になってフライトドクターとして活躍するようになったら、スキルに磨きをかけてどんどん後輩を育ててください。一緒に頑張りましょう!」

フライトドクターやフライトナースへの興味がますます湧いてきた人は、目指せる学校の情報を調べることから始めよう。

フライトドクターの仕事に興味のある高校生の皆さんへ
※日本医科大学千葉北総病院・救命救急センターの医師の皆さん。フライトドクターとしても活躍している(写真提供:日本医科大学千葉北総病院)

構成・取材・文/小林裕子 監修/原義明(日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 部長) 取材協力/二俣美鶴(日本医科大学千葉北総病院 救急外来 主任看護師)
※2025年10月現在の取材に基づく情報になります。

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