奨学金より頼るべきはまずおじいちゃん、おばあちゃん!?

アベノミクス効果で景気は上昇傾向にあるものの、まだまだ一般家庭の家計は苦しいなか、子どもが大学や専門学校に進学する際の学費をどう捻出するか悩んでいる保護者は多いはず。

 

できれば保護者に重い負担はかけたくないと考えている高校生も少なくないだろう。

 

そこでまず思い浮かぶのが奨学金だ。しかし、返済義務がない給付型の奨学金を受けられるのは成績優秀者などあくまで一部。

 

多くの学生は、卒業後に返済しなければならない貸与型を利用することになる。この奨学金返済の負担は大きく、最近は問題にもなっている。

 

そんななか、税制改正により、この4月から注目の制度がスタートした。その中身は「祖父母が孫に教育資金を贈与した場合、1500万円まで贈与税が非課税になる」というもの。そう聞くと、「おじいちゃん、おばあちゃんに学費を出してもらうってこと?なんでそれに税金が?」と思う高校生もいるかもしれない。

 

実は、たとえ身内であっても、1年間に110万円を超えるお金をもらった場合は、原則として贈与税という税金がかかるのだ。例えば、祖父母から500万円をまとめて受け取ったとすると、諸条件により違いはあるが、50万円程度の贈与税が本来はかかる。バカにならない金額だ。

 

新しい制度では、平成25年4月~平成27年3月末までの期間に、祖父母が30歳未満の子や孫への教育資金(入学金や授業料)を一括で贈与した場合、贈与税が非課税となる。また、英会話教室や塾・予備校などは「お稽古事」に分類され、こちらは500万円まで非課税。ただし、直接渡すのはダメで、金融機関に専用の口座を作って使い道などをきちんと管理することが条件となっている。

 

今の日本では、親世代と比べて祖父母世代はまとまった資産をもっていることが多いので、現実に祖父母からの教育資金提供は珍しくない。それをバックアップするために生まれたのがこの制度というわけだ。ちなみに、今までも、祖父母が直接学校に学費を納入した場合などは、贈与税はかからなかった。また、お金持ちの祖父母が贈与税などはあまり気にしないで資金提供していたケースも当然ある。それでも、こういった新しい制度ができて、話題になることの意味は意外と大きいもの。

 

例えば、今までは「おじいちゃん・おばあちゃんに教育資金を出してもらうのはちょっと気が引ける…」と思っていた保護者も、国がバックアップしているとなれば、「それなら相談してみようか」と気持ちが変わる可能性だってある。ニュースになった分、話もしやすいはず。家族団らんのときに話題にしてみてはどうだろう。