経済学部でもバイオを学べる!他学部履修・副専攻制度

日本の大学の入試は学部別に行われるのが一般的。そのため、1~2年次の教養課程で幅広い分野について学ぶ機会はあるものの、3~4年次はその学部の専門分野に絞って学ぶというのが通常のパターンだ。

 

ただし、学んでいる過程で専門分野とは異なる分野に興味が湧いたり、周辺分野に知識の幅を広げたくなったりするケースはよくある。「教養課程の基礎的な内容だけでは物足りない、他学部のより専門的な内容の科目も学んでみたい」というニーズも当然出てくる。

 

そこでここ数年注目されているのが、自分が属している学部以外の科目を履修できる他学部履修制度や副専攻制度だ。他学部の科目を1科目から履修したり、副専攻のコースを選択して他学部の複数科目を体系的に履修したりできる制度で、単位も修得できる。
2009年時点では全国192大学で導入されており、その数は年々増加している。

 

総合大学の強みを生かして、こうした取り組みを積極的に推し進めているのが早稲田大学。オープン教育センターを設置して、早稲田大学の各学部が提供する全学部共通のオープン科目、協定を結んでいる他大学の科目、さらにオープン教育センター独自の科目も用意。その科目数はなんと4000以上に上り、各科目を体系化した全学部共通副専攻も2012年度は24コース設けられている。

 

また、名城大学は、法、経営、経済、人間、都市情報、理工、農、薬の全8学部で他学部履修が可能な科目を開講。例えば、経済学部の学生がバイオテクノロジーを学ぶなど、文系・理系の枠、学部の枠を超えた幅広い学際的な知識と能力を養うことができる。

 

高校生が入学前に自分が学びたいことを見極めることは難しいもの。「学びたいことを一つに決められない」という高校生にとってはうれしい制度といえるだろう。ちなみに専門学校でも他専攻の科目を一定範囲で履修できるところは多い。

 

大学・学部によって、他学部履修制度・副専攻制度で履修できる単位数やオープンにされている科目の数などに違いがあるので、興味がある高校生は受験校を選ぶ際にしっかりチェックしてみよう。