「2018年をめどにセンター試験廃止」を高校生はどう思ってる?
センター試験は5年後(2018年)をめどに廃止する、というニュースが流れた(2013年6月、政府の教育再生実行会議)。それに伴い、センター試験にかわり「達成度テスト」という新しいテストの導入が検討されている。
しかし、なぜセンター試験を廃止する計画がもち上がったのか?
2013年10月に発表された教育再生実行会議の提言(※1)によると、その理由は次のとおり。
まず今の大学入試は、1点刻みで合否を争う知識偏重入試になっている。そして推薦・AO入試の一部は、本来の趣旨と異なり、事実上学力不問の選抜になってしまっている。
このため
2) 入試で評価される能力と、大学が測りたいと考えている能力にギャップがあり、入試の内容が大学入学後の学びにつながっていない。
という課題が出てきているという。
こうした問題を解決するために、「達成度テスト」では
2) 基礎レベルは推薦・AO入試における基礎学力の判定に活用する。
3) 発展レベルは大学が求める学力水準の達成度判定に活用する。
4) 基礎レベルは何回か受験でき、高校が生徒の達成度を把握したり、指導内容を改善するために生かす。
5) 発展レベルは大学が求めるレベルに達するまで何回か挑戦できるようにする。
という案が出されている。
1990年から始まったセンター試験が達成度テストに変われば、大学入試の歴史に残る大改革となる。そこで「スタディサプリ進路」では、このニュースを現役の高校生がどう感じているのか、アンケートを実施してみた。(※2)
まず、センター試験を廃止することに賛成ですか?反対ですか?という質問については
賛成48.6%
反対51.4%
と、結果はほぼ、まっぷたつに!
賛成派、反対派それぞれの理由を見てみると…
・たった一回のテストで人生が変わってしまうのはどうかと思うから
・チャンスが増えるから
・高校在学中の力も大切だから
・今より日本の学力が上がると思うから
・今までと変わってしまうと、どう勉強をすればよいかわからなくなってしまう
・特に悪い制度でもないので変えないほうが混乱しなくてよい
・一発勝負のほうが楽だから
・受験生の負荷がかえって重くなると思う
賛成派は「一発勝負はよくないと思っていた」、反対派は「今の制度に不満がない」などの意見が多かった。
高校生の間でも意見がまっぷたつに分かれる「センター試験廃止」の是非。今のセンター試験の何が問題なのか、どうすれば改善できるのか、これからさらに中身についての話し合いが行われ、実体を伴った改革が実現することを期待したい。
(※1)参考資料:教育再生実行会議「高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について」(第四次提言)(2013年10月31日)
(※2)2013年7月、スタディサプリ進路編集部が実施、高校生416名が回答