女子高生が日本を変える?未来会議を開催【レポート】
2013年12月26日、女子高生150人が永田町(東京都千代田区)に集結。衆議院第一議員会館にて、日本の未来を考える「第1回女子高校生未来会議」が開催された。
■女子が横&縦でつながって行動を起こす場
これは一般財団法人リビジョンが実施するプロジェクトの1つ、女子高生が運営するチーム「女子高生未来会議」の初イベントだ。
「女子高生未来会議」代表を務めるのは、高校3年生の町田彩夏さん(下写真)。このような活動を始めるきっかけとなったのは、生徒会長に立候補した時、教師に言われた「女のくせに」という言葉だという。
「たまたま他校で似たような経験をしたという女子高生と出会い、女子だからと辛い思いをしたのは私だけじゃないんだな、と気づきました。そういう人たちのために、女の子たちのコミュニティーが作れたら、将来社会に出て今より男女差に悩むようになった時も励まし合えるんじゃないか――そう考えたのが始まりです」(町田代表)
イベントの目的は大きく3つある。同じ女子高生同士という横のつながりをもつこと。将来のロールモデルとなる女性と出会うことで縦でもつながること。そして、自分たちのアイデアを発信するといった行動を起こすことで、社会全体に働きかけていくことだ。
イベント運営の中心となったのは、AO入試等で早期に大学受験を終え、町田さんの思いに共感した女子高生20人。参加者は、交通費を支給する東北支援枠による東北の女子高生ほか、東海地区や関西地区など全国から集まった。
■女性ロールモデルと交流。首相夫人、大臣の姿も
イベントの前半は「女性として私が歩んできたキャリア」と題してパネルディスカッション。パネリストには昭和女子大学学長・坂東眞理子氏、日本コカ・コーラ株式会社副社長・後藤由美氏、衆議院議員・宮川典子氏といった、第一線で活躍する3名の女性が登壇した。
パネリストのほかにも、多彩な顔ぶれの女性が随時、会場を訪問し、参加者を激励。その中には首相夫人の安倍昭恵氏、女性活力・子育て支援担当大臣の森雅子氏、社民党の福島瑞穂氏などの姿もあった。
後半に行われたのは、このイベントのメインプログラムとなるGirl’sマニフェスト策定会議だ。女子高生150人は「女性と子育て」「女性の発信・メディア」「女性の雇用と起業」「女性の防犯」「女子高生が考える震災復興」など10テーマについて、13グループに分かれて現在の課題とその解決策について議論した。
各グループにはジャーナリストや衆議院議員、企業の役員などの女性有識者がロールモデルとして参加し、女子高生の議論をサポート。わずか2時間足らずで、各グループ1つのマニフェストを打ち出した。
■一夫多妻制もアリ?! ユニークな提案が続々
各グループが発表したマニフェストは協賛企業により審査が行われ、協賛企業賞を含めて7つの賞が決定。どのグループも、情報発信力、広いネットワーク、フットワークの良さといった、女子高生ならではの強みをうまく活用していた。
YAHOO!JAPAN賞を受賞したのは、テレビ番組などのメディアについてリアルタイムに議論する「JK番組審議委員会」設置を提案したグループだ。案だけでなく、議論の場となるTwitterアカウントを策定会議中に取得。女子高生のスピード感には、アドバイスする側の有識者も驚きの声をあげていた。
また、富士急行賞を受賞したグループは、「一夫多妻制・一妻多夫制」の合法化を提案して、会場をどよめかせた。これは単なるウケねらいではなく、非嫡出子の相続問題や児童虐待、少子化など多くの問題の解決をねらったもの。発想の柔軟さが高く評価された。
そして、最優秀賞を受賞したのは、社会の輪で子育てをしていくための具体策を提案したグループだ。これは、中高生も「そだて隊」となって地域で子育てに参加するとともに、SNSを活用して「そだて隊」の認知を広げていくというもの。同グループには、副賞として後日、森雅子氏の大臣執務室にてマニフェストを直接提言する権利が授与された。
イベント終了後、Twitterには参加者から「楽しかったーーーーーーーーーー」「濃い1日をありがとう」などのコメントが続々あがっていた。
当日の様子はUstreamで視聴可能。3月には第2回の女子高校生未来会議開催が予定されている。興味のある人は、今後のFacebook、Twitter(@JKmirai)等の情報をチェックしてみて。