ハーバード大生ら、高校生の海外大学進学支援で全国行脚

■全国13会場で高校生と交流

 

「日本を飛び出して自分を磨きたい!」
「海外の大学で学んでから、世界で活躍するのが夢!」

 

そんなふうに海外留学に興味をもつ高校生の力になろうと、ハーバード大学やスタンフォード大学などで学ぶ現役留学生たちが立ち上がった。

 

自分たちが海外大学に進学する際に先輩に助けてもらった恩を後輩に返していきたいと、ハーバード大学1年の楠正宏さん(トップ画像)らは「NPO法人留学フェローシップ」を結成。海外の大学を希望する高校生の支援に取り組んでいる。

 

そのプロジェクトの1つが全国13会場で行った「留学キャラバン隊」だ。いったいどんな内容なのか、6月に私立市川高校(千葉)で開催されたイベントに潜入してみた。

 

ハーバード大生ら、高校生の海外大学進学支援で全国行脚

 
 

■「予想以上にタイヘンだった」が乗り越えた!

 

イベントはアメリカの大学に通う5人によるプレゼンが中心。まずは、それぞれが通う大学の特徴や、海外大学ならではの魅力、刺激的な学生生活が紹介された。

 

ハーバード大生ら、高校生の海外大学進学支援で全国行脚

 

そんな経験談のなかにはこんな話も…。ウェズリアン大学1年の梅原進吾さんは、たくさんの期待をもって入学したのに、実際の大学生活は「とても辛い」ものだったという。

 

先生と学生が会話しながら進める授業で、自分はほかの学生のように意見が出せない。頑張って何か言っても、「論理がおかしい」と鋭く指摘される。授業の準備のために本を何冊も読んだり、授業後に論文を書いたり、時間管理が大変。息抜きに誘われたパーティーも、大音量の音楽のなかで踊り狂うだけで、どうもなじめない。

 

「自分にアメリカの大学は合わないのではないか」--そう考えて悩んだこともあったが、ちょっとした経験をきっかけに現状のとらえ方を変えたという。

 

「Comfort Zoneを抜けた(居心地がいい場所から踏み出した)ほうがいい。自分の慣れ親しんだ環境ではないからこそ、さまざまな発見や学びがあり、自分は成長できるんだ。そう考えると、同じ状況でも充実を感じるようになりました」(梅原さん)

 

ハーバード大生ら、高校生の海外大学進学支援で全国行脚

 
 

■「自分は視野が狭かった」と気づく高校生も

 

このほか、海外大学の受験対策や奨学金についてのアドバイスや、個別相談も行われた。

 

ハーバード大生ら、高校生の海外大学進学支援で全国行脚

 

イベントに参加した高校生からは、「いかに自分の視野が狭かったか思い知らされた。海外の大学に行けるかはわからないけれど、もっと頑張りたい」などの感想が聞かれ、大きな刺激を受けた様子だ。

 

ハーバード大生ら、高校生の海外大学進学支援で全国行脚

 

今回、留学キャラバン隊が訪問できなかった高校のみんなに向けて、スタンフォード大学1年・山根寛さんからこんなメッセージをもらった。

 

「高校から大学に環境を移すこの機会に、『みんなが大学に行くから自分も行く』ではなく、なぜ自分は大学に行くのか、なぜこの大学なのか…などを、じっくり考えてみることが大切。どんな進路にせよ、そう考えたかどうかで、その後の人生の成長度合いが大きく変わるでしょうから」

 

じっくり考えた結果、海外大学に興味がわいた高校生は、留学フェローシップのサイトにある海外大学情報をチェックすることから始めてみてはどうだろうか。