持続可能社会を考えるワークショップで中高生が感じたこととは?
みんなは「普段飲んでいる紅茶が飲めなくなるかもしれない」と考えたことはある? また、この地球を守るために自分たちにできることは何か、意識したことはあるだろうか。
「レインフォレスト・アライアンス」という、持続可能な農業・林業・観光業を広めるために活動している国際的な非営利団体がある。
私たち一人ひとりがこの団体のマークが付いた商品を手に取ることにより、熱帯雨林の持続可能性を守る大きな力になるのだ。
ビールや飲料品の製造・販売を行っているキリン株式会社は、このレインフォレスト・アライアンス認証を取ろうとするスリランカの紅茶農園を支援する独自の取り組みを続けてきた。
■同世代へ問題解決のメッセージを発信するため、25人の中高生が参加
そのキリンは、持続可能な社会の実現に向けて中高生向けワークショップを多数実施している「こども国連環境会議推進協会」と協働で、12月14日(日)と23日(火・祝日)に「KIRIN School Challenge」を開催した。
テーマは「つながっている、私たちと世界」。キリンの商品「午後の紅茶」の原材料、紅茶葉の主な産地であるスリランカの紅茶農園。そこで取り組まれている「持続可能な農園つくり」をもとに、現在直面している問題を中高生のみんなが自分たちの目線で読み取り、それを同世代に向けて発信するポスターを制作するのが最終ゴールだ。
参加者は中学1年生から高校2年生までの女子25人。はじめはオリエンテーションとアイスブレイクをかねた簡単なゲームや、グループごとに決めた代表の1人へのインタビューを「他己紹介」として発表するなど、初めて出会った中高生同士でも、スムーズにチームとして参加できるような内容で進んでいった。
続いて紅茶農園やキリンの取り組みについての講義も行われた。
■新たな驚きや発見を通して見えてくること
次に、講義で疑問に思ったことや驚いたことを書き出し、ポストイットにピックアップしていく作業をした。それぞれの意見を出し切った後に、グループごとに決めたテーマで出した意見を、トピックごとに分けていく。それによってバラバラに意見を集めただけでは気づけなかった、問題解決に向けた新たな発見をしていった。
最後に、グループごとに同世代の人たちに一番伝えたいトピックを見つけ、そのトピックをもとにしたグループを新しく組み直してポスター制作に取りかかった。ただ紙に絵を描くのではなく、伝えたいことを届けるためのキャッチコピーや具体的なテキストを作ることに意識を向けた。でき上がったポスターをグループごとに発表してワークショップは終了。
ワークショップが終わり、参加者からは「いつも飲んでいる身近な飲み物をきっかけに、普段の生活では意識しなかった地球環境のことに気がついた」「発表やポスター制作を通して自分の意見を人に伝える難しさや工夫の大切さがわかった」という意見が返ってきた。「またこういったワークショップに参加したい」という人も多く、みんなで何かを作り上げる喜び、身近な問題を自分たちで解決する意欲が生まれたようだ。
みんなも身近なモノをきっかけに、自分たちにできることを考えてみてはいかがだろうか。また、こうした中高生を主役にしたワークショップを多く開かれているので、気になった人は調べてみると、世界がもっと広がるかもしれない。