「自分がわからない」-将来の不安にカウンセラーが助言

みんなは進路について考える時、どんな気持ちになる?
 
リクナビ進学は全国の高校生416人に進路に関するアンケートを実施した。すると、高校生の82%は「自分の進路について考える時、不安になることがある」と回答した(※)。
 
その不安の中身は? 不安にどう対処したらいい? 
 
詳しいアンケート結果と、そんな不安のある高校生に向けたキャリアカウンセラーからのアドバイスを紹介しよう。

 
 

■一番わからない・知りたいのは「自分自身について」

 
進路の不安がある高校生は、いったいどんなことがわからなくて不安になっているのだろうか。アンケートで最も多かったのは、「自分自身についてわからない」という人だ。

 
 
「自分がわからない」-将来の不安にカウンセラーが助言
 
 

【進路を考える時、一番「わからない・知りたい」こと】
 

1位 自分自身について…42%

・「将来の夢がないから」(高1男子・東京)
・「自分がどんな職業に向いているかが知りたい」(高2女子・愛知)
・「自分が何をしたいのかわからない」(高3男子・福岡)
 

2位 仕事や社会について…25%

・「どんな仕事があるのかを知りたい」(高1男子・茨城)
・「どうすれば将来なりたいものになれるのか」(高1女子・埼玉)
・「これからの社会はどうなっていくのか」(高2女子・北海道)
 

3位 進学先について…22%

・「どの学部がどんなことをしているのかわからない」(高1女子・東京)
・「自分のやりたいことができるところに、どんな学校があるか」(高2男子・福岡)
・「大学がどういう所なのか知りたい」(高2女子・埼玉)
 
 
仕事や社会、進学先については、調べたり人に聞いたりすれば、ある程度わかってくる。しかし、自分自身がわからないという不安には、どう対処したらいいのだろうか。キャリアカウンセラーの工藤倫子さんに聞いた。
 
 

■自分がやりたいことは、大学で自然にみつかるものではない

 
工藤さんは大学生のキャリアカウンセリングも行っているが、「大学生でも自分自身がわからないという人が多い」という。就職活動に直面して、「自分は何に向いているんだろう」と悩んでいる大学生はたくさんいるそうだ。

 
 
「自分がわからない」-将来の不安にカウンセラーが助言

 

「『進学後に夢をみつけよう』と思っている高校生は少なくないでしょう。でも、進学したからといって、自然に自分がやりたいことが見えてくるものではありません」(工藤さん/以下同)

 

「自分がわからない」-将来の不安にカウンセラーが助言

なぜ大学生になっても、自分のやりたいことがわからないままなのだろうか。

 

「人間の脳は、問いかけられるとその答えを探そうとします。でも、『わからない』で済ませてしまうと、脳は探そうとしません。だから、考え方を変えないと、ずっとわからないままになってしまうのです」

 
 

■「何がしたいの?」と自分に問いかけ続けよう

 
そこで工藤さんが提案するのは、ちょっと考えて「わからない」で片づけてしまうのではなく、日々「自分は何がしたいの?」「自分は何が好きなの?」と自分に問いかけることだ。

 

「そうすると脳は、自分がしたいことや好きなことを探そうとします。脳が働いて日常的にアンテナを張るようになれば、テレビや本、人との会話などからヒントを得ることも多くなるはず。すぐに答えが出るものではありませんが、あきらめないで自分に問いかけ続けることが大切でしょう」

 

また、少しでも「これ好きかも」「これに向いているかも」と感じることがあれば、その周辺にある仕事や学問について調べてみることを勧めている。

 

「自分には何も好きなことや得意なことがないと思いがちですが、『絶対やりたくないこと以外はやりたいこと』『苦手なこと以外は得意なこと』ぐらいに緩くとらえたほうがいいでしょう。『食べることが好き』『カラダを動かすことが好き』でもいいんです。それで引っかかってくることを軸に、仕事や学問について自分で具体的に調べてみれば、より広く深く考えられるようになるでしょう」

 

「自分がわからない」-将来の不安にカウンセラーが助言

 
 

「自分自身がわからない」という人は、工藤さんのアドバイスを参考に実践してみてはどうだろうか。

 
 

※2015年1月/リクナビ進学調べ