【コンテスト】身近なアイデアで高校生でも特許がとれる!

この4月、秋田県立金足農業高校の女子高生たち(当時)が研究開発したヤマビル忌避剤(寄せ付けない薬剤)の特許が認められ話題になった。

 

人や動物の血を吸うヤマビルは農作業やハイキングの大敵。これをなんとかしたいと女子高生たちが研究を始め、ヤマビルが嫌う成分を突き止めて開発に成功したのだという。

 

また、2月には、大分県立大分上野丘高校化学部の生徒たちが、実験で使う高分子のろ過膜「コロジオン膜」の孔径(高分子の隙間)の大きさを調節する方法で特許を取得。通常は温度で調節が可能だが、同校の実験室では温度調整が難しいため、2009年度から代々研究を続けてきたのだという。

 

このように、高校生でも優れたアイデアがあれば特許を取得することはできる。ただし、特許を出願するには、同じようなアイデアがすでに特許登録されていないかどうか調べたり、出願にあたって発明の細部を見直したり、複雑な出願書類を作成したりする必要があり、通常は弁理士という専門家のサポートが必要。弁理士への依頼や特許出願にはお金もかかるので高校生にはややハードルが高いのも事実だ。

 

そこでオススメなのが、文部科学省、特許庁、日本弁理士会、独立行政法人 工業所有権情報・研修館が主催する「パテントコンテスト」。高校部門、高専部門、大学部門の3部門で実施される発明コンテストで、特許出願支援対象者に選ばれると、弁理士への相談料、特許出願料などの費用を主催者側が負担してくれるという特典付き。実際、高校生の発明が特許取得に成功し、その後商品化されたり、商品化に向けて取り組みが現在進んでいたりする例も出ているという。

 

特許出願も見据えた発明コンテストとなると、「相当専門的なレベルじゃないと通用しないんだろうなぁ…」と思うかもしれないが、実は意外と身近感のある発明が支援対象に選ばれている。これまでの高校部門の選出例を一部挙げると…

 

「長さ調整ハンガー」
「噴き出し防止マンホール」
「ポスターに穴を開けずに貼れる器具」
「ページおさえクリップ」
「イヤホンコード絡まり防止器具」

 

もちろん身近だから簡単というわけではないが、「これなら自分にもできるかも」と感じた高校生もいるのでは?

 

募集期間は8月1日~9月20日(当日消印有効)。審査の対象となるのは、発明の内容や図面などをまとめた発明提出書。応募は個人でもチームでも可能だ。

 

「とっておきのアイデアがある!」「いいアイデアが浮かびそうな気がしてきた!」というキミ、さっそく発明の準備にとりかかってみよう。

 

パテントコンテスト