本好き高校生に拡大中!「ビブリオバトル」とは?

「ビブリオバトル」とは、ゲーム感覚を取り入れた新しいスタイルの書評合戦のこと。

 

ビブリオバトラー(発表者)が5分間でおすすめ本を紹介し、バトラーと観客が一番読みたくなった本(チャンプ本)を決定する。

 

立命館大学の谷口忠大准教授が考案し、今、学校や図書館、読書サークルなどで人気が広がっているのだ。

 

もちろん高校生にもビブリオバトルは普及拡大中。

 

8月31日(土)には都内から300人以上の高校生が東京都立深川高校に集まり、13教室でそれぞれ熱いバトルを繰り広げた。これは、11月23日(土)の「高校生書評合戦首都大会2013」(主催:東京都、東京都教育委員会、公益財団法人字・活字文化推進機構)に向けた都予選会。勝ち残った13人が11月の首都大会に進む。

 

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都立高校3年のジンくんは、校内のビブリオバトルで学校代表を勝ち取り、今回の予選に参加。第一回戦では、香港からイギリスのロンドンまでの紀行を描いた『深夜特急』(著:沢木耕太郎)を紹介した。この本は、著者が20代の時に実際に旅をした経験に基づくもの。ちょっと数日寄るつもりの香港にその魅力にはまって長期滞在したり、マカオではギャンブルに負けて旅の資金がなくなってしまったり…さまざまなトラブルに合うスリルや、人との出会いが描かれている。

 

自転車で走ることが趣味のジンくんは、この本を読んで地続きの旅に魅かれる作者に共感。今まで以上に大胆な行動をしてみたいと思うようになり、大阪や仙台への自転車の旅につながったという。

 

ほかにも、高校生の微妙な感情を描いた芥川賞受賞作『蹴りたい背中』(著:綿矢りさ)、映画にもなった『図書館戦争』(著:有川浩)、500種以上の職業が紹介された『13歳のハローワーク』(著:村上龍)など、バラエティに富んだ本が紹介された。

 

上がったうちわの数でチャンプ本を決める様子

 

ビブリオバトル挑戦の理由とそのおもしろさについて、ジンくんはこう語っている。

 

「30年ぐらい前の本なので、読んでいる人は少ないだろうから、みんなに知ってもらいたいなと思って挑戦しました。紹介するのもいいんですが、ぼくはどちらかというと、人の紹介を聞くほうがおもしろいですね。紹介する人の『自分はこう思った』というのが強いと興味がわいてきます。バトルで知ったことをきっかけに読んだ本もいくつかあります」

 

「人を通して本を知る。本を通して人を知る」――これがビブリオバトルのキャッチコピー。本のあらすじを知るだけでなく、バトラーの感覚を通じて本をのぞき見できることは魅力のひとつだろう。

 

お気に入りの本をみんなに知ってもらいたい人、読んでみたい本を探している人、単純にゲームとしておもしろさを味わいたい人…ビブリオバトルはいろんな高校生が楽しめそうだ。

 

参考:ビブリオバトル公式ウェブサイト