湖南荘は、富士山を仰ぎ見る河口湖畔にたたずむ日本旅館です。私はフロント部に所属していますが、チェックイン・チェックアウト時の接客だけではなく、客室業務や食事のオペレーション、時には急病のお客様対応などあらゆる業務を行っています。当館のコンセプトは「和風の雅びな宿」です。国内外を問わずリピーターが多く、海外ではアジアや欧米、オーストラリアなどからのご家族やグループにご利用いただいています。初めて日本を訪れ、日本旅館に泊まられたお客様に細やかなサービスを提供して笑顔で喜んでいただけると、とてもやりがいを感じます。チェックアウトの際、「来年も同じ日に予約したい」といわれたときの感動はひとしおです。
グローバルスタディーズ学部に入学したのは、英語を極めたかったからです。少人数の授業で集中的に学び、半年間の語学留学に参加して自信がつきました。留学でアクティブに行動する楽しさに目覚めた私は、学外の政策立案コンテストで優勝したり学長のインターゼミで大学院生や社会人と一緒に論文をまとめたり、1年間の学部留学にも挑戦。密度の高い学生生活を送ることができました。多摩大学の良さは先生との距離が近く、何でも気軽に相談できること。グローバルな視点で助言やサポートをしていただけるので、選択肢やチャンスが大きく広がります。私は卒業後も先生からアドバイスをいただき、マカオの大学院でMBAを取得することができました。
海外で何年も生活して、外国のお客様の多様な文化的背景に配慮できるようになりました。それを踏まえたサービスができるのは私の強みです。宗教上の理由などで避けるべき食材を理解し、対応できるのもその一つです。言葉の微妙な表現で相手を気遣うこともできます。留学は、日本の再発見にもつながりました。日本文化の本質を認め、何を残すべきか見極められるようになったと思います。私はマーケティング戦略やSNSの運用なども担当し、当館の魅力をお客様にアピールするという重要な役割も担っています。日本旅館として何を残して何を変革するかを考え、ブランディングを確立して今以上にお客様に選ばれる旅館を目指したいと考えています。
富士河口湖温泉郷 湖南荘(こなんそう)勤務/グローバルスタディーズ学部/2016年卒/大学1年生の秋にアメリカのUCLAに半年間語学留学。4年生のときには休学してイギリスのウエストミンスター大学に学部留学し、ホテルでのインターンシップにも参加。帰国後はIT企業に就職し、運用コンサルタントとして約2年間勤務。その後タイのプーケットにある5つ星ホテルに転職し、マーケティングなどを担当。約2年間働いた後、多摩大学の先生から国立マカオ大学大学院のスカラシップ入試を紹介され、推薦状を書いてもらって入学、MBAを取得。帰国して実家が経営する湖南荘に入職し、現在に至る。